日本の治安は改善?悪化? 「実数よりも体感が大切」(橋本五郎)

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   フィリピンで収監されている特殊詐欺の容疑者たちの強制送還の話題に続けて森圭介アナが紹介したのは警察庁のアンケート調査の結果。森アナは「昨日2月2日(2023年)、警察庁が、あるアンケート調査の結果を発表しました」と切り出した。3日の「スッキリ」。アンケートの質問は「ここ10年で日本の治安はよくなったと思うか、悪くなったと思うか」。

  • 日本の治安は?(写真はイメージ)
    日本の治安は?(写真はイメージ)
  • 日本の治安は?(写真はイメージ)

アンケートの結果は?

   タレントの大沢あかねは「SNSの発達でいろいろなニュースを見ることができるようになり、いろんな犯罪のニュースも目に入る。治安が悪くなったという体感はある」とコメント。

   SHOWROOM代表の前田裕二は「大沢さんと同じですね。全体の犯罪件数は減っていても、ニュースを目にする機会は増えているので」と「悪くなった」という回答が多いと予想。

   2人のコメントを受けて、森アナが「アンケートの結果は、67.1%の人が『悪くなった』『どちらかといえば悪くなった』と回答しました」と結果を明かす。

   街の人たちの意見を聞くと「悪くなった。子供の塾は送り迎えが必要だし、公園も心配。昔は地域の目があったが、今は不審者がどこにいるかわからない」(30代女性)、「安倍元首相の事件やバイトテロなど、治安は悪くなった」(専門学校生)など、多くが「悪くなった」と答えた。しかし、一方で「悪くなったというより、物価高でお金が足りず犯罪に走る人が出てきた」(30代女性)、「昔から物騒な事件は起きていた」(30代男性)など、異論を唱える人もいた。

   ちなみにアンケート結果では「よくなった」「どちらかといえばよくなった」は、わずか14.9%。アンケート調査が行われたのが、安倍元首相が銃撃された後だったことも影響した可能性がある。

   森アナが刑法犯の認知件数の推移を示したグラフを示し「2002年に285万件だったのをピークに減少し、21年は戦後最少の57万件。22年はコロナ明けもあって60万件と微増していますが、20年で4分の1以下に減っているんですね」と説明。

加藤浩次「治安が悪くなったというわけではない。ただ...」

   立正大学の小宮信夫教授は「件数は減っているが、『増えている』という一般の体感件数が現実に近い」として「警察庁の統計はあくまで認知件数。つまり警察が知ることができた件数です。認知できていない暗数がどのくらいあるかを調査すると、例えば性犯罪は認知件数の7倍、窃盗は2倍ともいわれている。セクハラやパワハラなどもそうで、届け出がないものがある」と説明。

   「自転車のサドルや車のミラーを盗まれた」「義理の父が歩道を歩いていたら自転車にぶつけられて大けがしたが、警察には届けなかった」など、届け出なかった犯罪被害体験も何軒か聞かれた。こうした届け出をしなかった被害が体感治安に影響を与えるという。SNSなどでこういう犯罪を目にした人たちは、自分たちで対策を考えていると話していた。

   小宮教授は「防犯の意識はあっても知識がないので、空回りしてしまう。知識を得れば意識もつく。防犯には知識が大事です」と話す。

   司会の加藤浩次は「勘違いしてほしくないんですけど、体感で犯罪が増えているからと言って、日本は治安が悪い国に向かっているということではないということですね」と指摘。

   読売新聞特別編集委員の橋本五郎は「マスコミは悪い事件を報じる傾向があり、それが見ている人の意識の中に入るということがひとつ。ただし、国民が治安が悪くなっていると感じていることを、政治家がどうにかして手を打たないとダメですね。社会全体の不安につながる。実数よりも体感が大切」とコメント。

   加藤は「これまで特殊詐欺の認知件数は減っていたが、この2年で新たな手口が出て増えた。虐待も法が変わって厳しくなって、水面下にあったものが出てきた。サーバー犯罪も同様のことがいえる。治安が悪くなったというわけではない。ただ、犯罪に巻き込まれる可能性はある。小宮教授が言うように知識を持つことが大切」とまとめた。

(バルバス)

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