加藤浩次「治安が悪くなったというわけではない。ただ...」
立正大学の小宮信夫教授は「件数は減っているが、『増えている』という一般の体感件数が現実に近い」として「警察庁の統計はあくまで認知件数。つまり警察が知ることができた件数です。認知できていない暗数がどのくらいあるかを調査すると、例えば性犯罪は認知件数の7倍、窃盗は2倍ともいわれている。セクハラやパワハラなどもそうで、届け出がないものがある」と説明。
「自転車のサドルや車のミラーを盗まれた」「義理の父が歩道を歩いていたら自転車にぶつけられて大けがしたが、警察には届けなかった」など、届け出なかった犯罪被害体験も何軒か聞かれた。こうした届け出をしなかった被害が体感治安に影響を与えるという。SNSなどでこういう犯罪を目にした人たちは、自分たちで対策を考えていると話していた。
小宮教授は「防犯の意識はあっても知識がないので、空回りしてしまう。知識を得れば意識もつく。防犯には知識が大事です」と話す。
司会の加藤浩次は「勘違いしてほしくないんですけど、体感で犯罪が増えているからと言って、日本は治安が悪い国に向かっているということではないということですね」と指摘。
読売新聞特別編集委員の橋本五郎は「マスコミは悪い事件を報じる傾向があり、それが見ている人の意識の中に入るということがひとつ。ただし、国民が治安が悪くなっていると感じていることを、政治家がどうにかして手を打たないとダメですね。社会全体の不安につながる。実数よりも体感が大切」とコメント。
加藤は「これまで特殊詐欺の認知件数は減っていたが、この2年で新たな手口が出て増えた。虐待も法が変わって厳しくなって、水面下にあったものが出てきた。サーバー犯罪も同様のことがいえる。治安が悪くなったというわけではない。ただ、犯罪に巻き込まれる可能性はある。小宮教授が言うように知識を持つことが大切」とまとめた。
(バルバス)