阿部祐二がフィリピンからリポート 「注目の収容所」のゆがんだ実態

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   連続強盗事件の指示役とみられ、フィリピン入管に収容されている渡辺優樹容疑者(38)ら4人の男たち。きょう1日(2023年2月)の「スッキリ」は、現地で取材を続ける阿部祐二レポーターが「収容されているビクタン収容所では『Under Table』いわゆる袖の下が横行しています。4人がどんな生活を送っているのか探りました」と報告した。

   マニラで、新宿のような繁華街を歩くと、夜10時になっても子どもたちが集団で遊ぶ姿が。現地通訳は「子どもたちが一番危ない。4人ぐらいで話しかけてきて、もう1人が後ろからカネをとるグループ犯行です」というのだ。「これも現実ですね。やはりおカネなんだよ」と阿部レポーター。

  • 警察の捜査が続いている(写真はイメージ)
    警察の捜査が続いている(写真はイメージ)
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加藤浩次「警察なども給料が安いから...」

   日本食材店に行ってみると、女性店員は4人のうち小島智信容疑者(45)の写真を指差し「店内で見た」と証言した。もう一人の店員も、最近1人で来ていたといい、阿部レポーターがスマホの写真で何度も確かめても、「この人」と言い切っていた。収容されているはずだが、阿部レポーターは「職員に頼めば外出できるという話も聞いた。もしかしたら来ていたかも」と話す。

   ビクタン収容所は「カネで自由が買える」と言われている施設。別の収容所の実態を知る日本人向け現地新聞元編集長の酒井義彦さんは「カネのある外国人が刑務官を伴って有名日本食店で夕食をとることができる、名目は病院に行くこと」と話した。

   犯罪者はなぜフィリピンに潜伏するのか。内情に詳しい東京外大の日下渉教授は「カネがあればなんでもできる社会。いってみれば、いくらでも法規制をカネとコネでゆがめることができる。そういう意味では(犯罪者は)住みやすい場所ではあると思います」。

   司会の加藤浩次「ドゥテルテ政権の時に腐敗を一掃するんだと動いていたが、何ら変わっていないようにみえます」

   日下教授「フィリピンの特徴は、法規制を執行する官僚制度、行政機構が弱いということ。米国がフィリピンを植民地にしたとき、官僚機構より選挙を重視し、エリート支配の国になってしまった。自分たちに有利なように法規制をゆがめてきたので、庶民にしても役人にしても、正直者がバカを見る、法を守ることのインセンティブが働きにくい社会になってしまっている」

   加藤「警察なども給料が安いから、結局賄賂で賄ってしまうという背景もありますか」

   日下教授「法治国家というより人治国家の側面が強く、法規制があればあるほど賄賂の温床になる。これを無くすのは一朝一夕にはいかないですね」

(コムギ)

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