1月8日午後9時、TBS系「日曜劇場」枠でスタートした「Get Ready!」を見ました。(この原稿はネタバレを含みます)
演出は堤幸彦です。ドラマは、主役の波佐間永介(妻夫木聡)が、パティシエとして、若い女性の応対をするところから始まります。彼のもう一つの顔は、天才的なオペ技術を持つ外科医。報酬の額でなく、患者が「生き延びる価値があるのか」で判断し、オペで救うかを決める闇医者チームの寡黙かつ冷淡な性格の執刀医なのです。
波佐間(妻夫木聡)の相棒の、下山田譲(藤原竜也)は、オペ患者との交渉役で、仮面をつけて患者の前に現れます。彼はお人好しな面が目立ち、波佐間の冷淡で、奔放な振る舞いに手を焼いています。
第一話のゲストは、渋谷隆治(池松壮亮)。彼は、ベンチャー企業の社長で、ハゲタカ投資家です。彼は、事業を始めた頃は真面目で、客のことを思っていましたが、事業がうまく行って来るに従い、尊大になっています。そんなとき、特発性間質性肺炎で、大病院の院長からは、余命半年の宣告を受けます。
波佐間(妻夫木)は、彼のひどいやり方を知っていて、彼を助けるかどうか迷います。波佐間には「助けるのには方針がある。誰でも助ける訳ではない」という主義があるためです。
妻夫木聡×藤原竜也の奇妙なチームワーク
渋谷(池松壮亮)は、死を迎えて原点に戻り、仕事の仕方を始めの頃のように改めます。波佐間(妻夫木)はそれを見て、渋谷の手術を執刀することを決めました。
手術は成功し命を長らえた渋谷(池松)は、以前ひどい仕打ちをした男の工場に融資をします。そこを訪ねると、彼は渋谷につっけんどんな態度をとりながら、「弁当を食っていけ」と言います。渋谷は、その工場の片隅に座って、働く皆と一緒に弁当を食べながら、「こんなうまい弁当は、今まで食べたことがない」と言って、泣きました。
これを、少し離れた場所から見ていた波佐間(妻夫木)と下山田(藤原)は、手術の報酬の800億円を、700億円割り引いて100億円にすることに決めて、その場を去って行きます。
波佐間(妻夫木)の、冷淡だが筋の通ったやり方には、一種の共感を覚えました。下山田(藤原)との、奇妙とも言えるチームワークも新しさがあります。
闇医者チームというイリーガルな存在にドラマ内で警察も目を光らせ始めています。堤幸彦がどんな結末を見せてくれるのか、ワクワクする作品です。