日本は最強寒波に襲われたが、世界の猛烈寒波はハンパない。中国最北端の街、黒竜江省漠河市では22日(2023年1月)にマイナス53度を記録。同市で過去最低気温を記録した1969年のマイナス52.3度を下回った。また、世界で最も寒いと言われるロシア・サハ共和国のヤクーツクでは1月19日にマイナス62.7度を記録している。
凍った魚が丸ごと売られていた
あまりの寒さに漠河市民は寒さを伝える映像をSNSに投稿して話題になっている。お湯が注がれた鍋を、ソフトボールのピッチングのように振り回すと、お湯が一瞬で霧状の結晶になる美しい映像や、凍った柿にレンガを叩きつけると、割れたのはレンガだったという映像が投稿された。
ヤクーツクではマイナス62.7度を記録した日も名物の野外市場は営業。凍った魚が丸ごと売られていた。市場で働く女性は「キャベツみたいに重ね着すれば大丈夫」と平然と答えていた。ヤクーツクでも寒さを訴える映像がSNSに投稿された。凍ったトマトで釘を打ったり、生卵を割るとすぐに目玉焼きの様に凍ってしまう映像や、熱湯で作ったカップ麺が15分で食品サンプルの様に凍ってしまう映像も話題だ。
映像を見た司会の羽鳥慎一は「寒すぎて想像ができないですね」と驚く。
レポートした野上慎平アナは「現地の人はマイナス45度を超えると寒いと感じるそうです。マイナス30度なら暖かいと感じるそうです」と言う。
社会活動家の石山アンジュは「私の経験ではアラスカでマイナス20度が一番寒い。もう息をすると痛い感覚でした。マイナス60度は想像がつかない」と告白。
野上は「初日の出中継で富士山頂にヘリで行った時の外気がマイナス20度くらいでした。あれよりも寒いと考えるとゾッとします」とコメントし、なぜこのような低温が生じるのかに言及した。
温暖化との関係
日本を襲っている最強寒波は、北極の寒気が南下しているためだが、この寒気は例年と比べて暖かいという。その理由は温暖化で海水温が上昇したため。このため北極海の凍り始めが遅くなり、寒気が比較的暖かくなっている。北極の寒気が温かいことが原因で、偏西風が蛇行し、例年より寒気が南下。その影響で日本に今期最強寒波が到来しているとのこと。
野上アナは「北極の寒気と偏西風の寒暖差が激しければ、偏西風はまっすぐ進み、寒気はもっと北にとどまっていたということです」と伝えた。
石山アンジュは「マイナス50度になると直接肺に空気を入れたら危ないと聞いている。マイナス20度以上になると知識としてほとんど何も持っていない。もし日本にもこんな寒波が来るのだとしたら、あらかじめ情報を持っておきたいと思いました」とコメント。
野上アナは「飛行機で言われるそうです。降り立ったら深呼吸しないでくださいって」とコメント。
徐東輝弁護士は「トロントに留学した時にマイナス20度を経験した。その時は、クシャミをしたらすぐに拭けとか、涙が出たらすぐに拭けと言われた。そういう世界に暮らす人たちの知恵を学ぶ必要がありますね」とコメント。
羽鳥は「結局は偏西風の蛇行で極端化して、寒いところは寒い、暑いところは暑い、雨降るところは雨が降る」とコメント。
野上アナは「温暖化は本当に考えていかなければならないことだと改めて思いました」とリポートをまとめた。
(バルバス)