「今回のJR西の対応はひどすぎた」(梅原淳氏) 寒波と立ち往生と過去の教訓

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   昨日25日(2023年1月)は最強寒波の影響で日本列島の至る所で交通網がマヒした。新名神高速道路では34キロにわたり立ち往生が発生し、多くのトラックや乗用車のドライバーが15時間もの間、車内にとどめられた。

  • 寒波の影響が各所に(写真はイメージ)
    寒波の影響が各所に(写真はイメージ)
  • 寒波の影響が各所に(写真はイメージ)

「最大で10時間閉じ込め」も

   大雪による立ち往生は道路だけではなかった。司会の羽鳥慎一は「高速道路だけではなく、鉄道でも立ち往生が発生してしまいました」と伝えた。

   立ち往生が発生したのはJR西日本、京都・山科駅と大阪・高槻駅の間の30キロ。一昨日24日、大雪のため複数の線路ポイントが故障して、午後8時以降に京都線と琵琶湖線の上下線計15本の電車が駅間で停車。15本の電車には計7000人の乗客が乗っていたが、16人が体調不良を訴えて救急搬送された。これらのうち、山科駅近くで立ち往生した電車の乗客は、最大で10時間閉じ込められ、降車したのは朝の5時半だった。

   リモート出演した鉄道ジャーナリストの梅原淳氏は「今回のJR西の対応はひどすぎた。今まで雪による立ち往生は何度も起きていて、そのたびに国から対策を求められてきているはずなのに、それが生かされていない。京都での大雪は珍しいが、大津や山陰地域は雪が降る地域。それなのにまるで雪を初めて見た人のような対応だった」と批判。

   防災危機管理アドバイザーの山村武彦氏は「立ち往生の原因はポイント故障でした。雪国であればポイントにヒーターを付けて対策しているが、今回はそれが想定されていなかった。予報は8センチの積雪だったが15センチの積雪になった。10センチ以上なら融雪装置を使う規則があったが、予報を聞いて設置しなかった。たとえ6センチの予報でも、16センチ積もる可能性もあることを認識する必要があった」と指摘。

   羽鳥が山科駅付近で立ち往生した特急サンダーバードに乗車していた女子高生の話を紹介した。女子高生によると、7時40分に電車が止まり、救助が始まったのは11時20分。ホームまで20人ほどが歩いたというが、降車の前のアナウンスが「自己責任で降りてください」というもので、女子高生は「脅されているみたいだった」と話していたという。

羽鳥慎一「課題は見えてきているようです」

   梅原氏は「鉄道会社の責任放棄だと思っていい。ホームが見えるような位置で立ち往生していたのにバックさせることをしなかった。本来ならやるべきだった。あくまで想像ですが、乗務員は乗客を救出させたかったが、安全前提を考える上からの指令でできない。投げやりになってしまったのかもしれない」と話す。

   弁護士の徐東輝は「私も京都に6年間住んだことがあるが、雪は珍しくない。マニュアルはあるはずでそれが徹底されていなかったのでは。自己責任で線路に降りろと言われて、誰が降りられるかという話」と指摘。

   羽鳥は「このあたりが今後の大きな課題ですね」とコメントし、別の乗客の話を紹介。山科駅ホームまで1200メートルの線路上で立ち往生し、最大で10時間車内にとどめられた30代の女性は、止まったのが午後7時40分、最初の人が電車を降り始めたのが11時5分。1400人が線路を歩く選択をしたという。車内は満員状態で、立ち往生している間も息苦しく、倒れる人もいたという。アナウンスは「復旧のめどが立たずご迷惑をおかけしています」というだけで、多くの乗客がイライラしていたと話す。結局この女性が降車したのは、降車が始まった11時5分から3時間後で「トイレもなく、この3時間がきつかった」と話していた。

   梅原氏は「降車まで3時間かかったことに、JR西は次回からどう対応するのか。誘導する人員が足りなかったのなら、鉄道だけでやろうとしないで、警察や消防、自治体の災害対策関係者とも連携するなどするべき」と指摘。

   山村氏も「防災訓練はしているはずだが、形式的だったのではないか。今後は自分たちだけでするのではなく、客も交えて訓練するなどするべき」と指摘。

   羽鳥は「課題は見えてきているようです」とまとめた。

(バルバス)

姉妹サイト