オードリーの2人がMCを務め、今注目の有名人と打ち合わせナシのフリートークを繰り広げる「あちこちオードリー(毎週水曜午後11時06分、テレビ東京系列)」。1月18日の放送は、人気企画の「芸能界が生きやすくなる参考書を作ろう」。伊集院光さん、藤本美貴さん、どぶろっくさん、ウエストランド・井口浩之さんとバラエティー豊かなゲストが芸能生活で得た教訓を披露しましたが、なかでも金言を連発していたのが伊集院光さん。出演者一同が「沁みるぅー!」と連発して盛り上がった伊集院さんの金言を一部、紹介します!
若林「まるっきりの嘘は、帰り道耐えられない」
まずひとつめは、「本当のことだけでテレビには出られないが、まるっきりの嘘だけはやめておけ」。
この言葉が発表された瞬間、オードリーの2人は声を揃えて「いやー!」と唸り、とくに若林正恭さんは「今日はもうこれで終わってもいい」と言うほど沁みていた様子です。
伊集院さんいわく、演出とやらせの境目は難しいけれど、テレビ側が求めるものの中には「ここからは乗っちゃダメ」というものもある。そこに乗り続けると、人の批判よりも自分の内面からの攻撃にやられてしまう、とのこと。伊集院さん自身も、一時期「マヨネーズ大好きキャラ」をやっていましたが、実はマヨネーズはあまり好きではなかったのだそうで、収録の帰り道に「俺は嘘をついた」と落ち込むことがあったと言います。
伊集院さんのコメントを深くうなずきながら聞いていた若林さんも、その昔「白い巨塔マニア」として番組に出演したのに、実は一回も見たことがなかったと告白。伊集院さんと同様に帰り道に罪悪感を感じていたといい、「まるっきりの嘘は、帰り道耐えられない。沁みたなー」としみじみ語っていました。
続いて出演者たちの共感を集めたのは、「コントなら漫才、ものまねならアイドルなど、自分とは違うジャンルで心から面白いと思いアドバイスをもらえる仲間を作れ」とう教訓。
伊集院さん自身も落語家をやっていたときには、漫才師の友達からアドバイスをもらっていたそうで、「漫才師同士で群れていても、最近あった心底面白かった話などのネタを提供してくれるわけがない。自分が習得途中のことを人に指摘しづらいから、同じジャンルの人同士でアドバイスもしづらい。だから、あんまり群れない方がいいんじゃないか」と持論を展開します。
これに同調したのは、ウエストランド・井口さん。実は、先日優勝したM―1のネタはコント師匠の仲間たちからアドバイスもらっていたそうで、「賞レースで複数回決勝に行った経験がある人たちは、ネタを見ただけで『決勝行けるよ!』と言ってくれていた。彼らは違う見方もできているし、悔しさとかもないからちゃんと判断できてるのかな、と思う」と腑に落ちた様子でした。
オードリーの2人も漫才師と群れることはあまりなく、昔ははなわさん、原口あきまささんといったピン芸人の方に教わっていたのだそう。「漫才師同士で固まっていると、喧嘩が強い先輩の漫才論に合わせてしまう。もし漫才師に教わっていたら、あんなに胸張ってゆっくり出てこれなかったかもしれない」と語ります。
元アイドル藤本美貴「絶対に相手の可愛いところを言わない」
この流れに、元アイドルならではの視点を加えたのが藤本美貴さん。アイドル同士は仲が悪いわけではないけれど、「どっちが歌割りもらえるか、PVにどのくらい映れるか」とバチバチしていたのだそう。「絶対に相手の可愛いところを言わないじゃないですか。リボンとか変な髪飾りがどんどん増えているメンバーがいても『バカだな』と思って見てるだけ。減らした方がいいとは言わない(笑)」と、ぶっちゃけトークを披露してくれました。
そして最後を締めくくったのは、若き日の伊集院さんが師匠である三遊亭円楽さんから教わった「自分が時間を忘れてやってしまうようなことに少しの社会性を持たせると、この商売は食っていける」という教訓。
すなわち。金が儲かるとか人気が出るとかじゃなくて、自分が本当に熱中できる好きなことに、「だから面白いんだ」と思わせるような説明力をつけたり、ちょっと一般の人にわかるようなことに寄せれば、それだけで食べていける、ということ。「それほど好きではないことを「ここは層が薄いから」と言われて頑張ってモノにしようとする人がいるけれど、それは違うと思う。かといって、わかる人にわかればいいという態度も違うから、ちょっと社会性を持たせようよ」とうことを師匠から伝えられたと言います。
芸能界を生き抜いてきた人たちの教訓は、私たち一般の人にとっても学びが多く、社会を生き抜く上での参考になりそう。放送後のツイッターでは「自分が好きなことに少しの社会性を持たせようというのは、芸能界のみならず一般人にも響く」「円楽師匠の金言は、お笑いやエンタメに限らずさまざまな職業選択に共通する教えかもしれない」「伊集院さんの話のほとんどが、芸能関係だけじゃなくろんな仕事に当てはまる」といった感想が飛び交っていました。
(Hibunny)