18日(2023年1月)の「モーニングショー」は、少子化対策をまた取り上げた。前の週にこの話題を取り上げたところ、視聴者から3000件を超える意見が寄せられたということだ。
司会の羽鳥慎一「寄せられた意見の中には、子どもを産むことを躊躇してしまう理由として、教育費の高さ、そして育児と仕事の両立の難しさが非常に多かったです」
教育費問題も
番組はまず、麻生副総裁の15日の発言を取り上げた。「少子化の最大の原因は晩婚化」という見方を示したものだ。では、実際は?
経済学の視点から少子化対策を研究する東京大学大学院の山口慎太郎教授はこう話す。
「率直に言って、(麻生氏の発言は)政治の失敗の責任転嫁だなと感じます。そもそも、じゃあなんで晩婚化が起こるのかってところまで立ち返って考えていただきたい。そもそも、若い方が非正規で低所得で不安定な仕事しか見つけにくいという状況があるために、将来にポジティブな展望を描けず、家族を持って、子どもを持ってということが非常に難しくなってしまっているのが根本的な原因だと思います」
浜田敬子(ジャーナリスト)「少子化研究の論文を読むと、晩婚化と非婚化は確かに少子化の要因ではあるが、急激に少子化が起きている日本と韓国の特徴は、妻の家事・育児の負担が大きいこと、職場で家族に優しい政策が取られていないということと、出産による女性の離職から再就職にハンデがあることの3つ。そこには目をつぶって全然言わない。そこが1番対策を打ちやすいところでもあるのに、『女性が働いているからだ』っていう方向に持っていくのが、本当にいつも怒りが沸く」
この意見に、安部敏樹(社会起業家)も賛成。「これってはっきり言えば、おじいさんが結論に対して色々な要因があるのに、順位として低そうなものを強く主張してミスリードさせていくという構図。まして彼は元首相であり、現副総裁。そういうおじいさんが学術的な根拠を元にせず、こういう主張をしていくのであれば、さっさと退いていただきたい」と麻生氏を批判した。
番組は、家計に重い負担となっている教育費の問題を掘り下げ、過熱する私立中学受験勉強と公立校が抱える教員不足などの問題も取り上げた。
山口教授は、「事務的な業務は事務担当の職員が担うようにすることで教員が授業に集中できるような環境整備が必要。それが公教育の充実につながっていく」と提案。
安部「6歳から12歳というのは、言って見れば脳の色んな臨界期がある時期。そういった時期を中学受験を出口にしたもののために費やすことが正しいのか。山行ったり川行ったりして遊ぶ方が大事なんじゃないか。みなさん多分、直感的にはそう思っているけれど、そうさせられない構図がある。それをするためには、まさにきょう議論されたような、公教育をめちゃくちゃ充実させるしかない」
(ピノコ)