新型コロナウイルスの新規感染者数は昨日11日(2023年1月)、全国で19万8873人、死者数は381人となり、感染が広まっている。その一方で鳥インフルエンザの感染も拡大している。「モーニングショー」司会の羽鳥慎一は12日、「卵の価格が高騰しています。1年で倍近く値上がりしています」と切り出した。
都内のお好み焼き店では1日400個の卵を使用するという都内のお好み焼き店では「1個当たり9円近く上がっているので大打撃になっている」と話す。『価格の優等生』と言われるたまごに起きている大異変、その原因の一つが鳥インフルエンザの感染爆発だ。1月8日には茨城県の養鶏場で93万羽が殺処分されたほか、千葉、群馬、埼玉など計1000万羽以上が殺処分されている。野村哲郎農林水産大臣は「非常時代宣言のようなものを発したい」ともコメントしている。新潟・三条市のスーパーでは、県内の養鶏場で殺処分が進められたため、一時卵300パック以上が入荷できない事態になった。
エサ代の高騰も
羽鳥は改めて「鳥インフルエンザが大変な拡大をしている状況で、農水省によると今シーズンの殺処分は全国の23道県で1091万羽、過去最多の数字になっています」と話した。
リモートで出演した前橋市の角田養鶏場の角田吉雄さんは「私の養鶏場では出ていませんが、群馬県でも発生しており戦々恐々としております。石灰、足踏み消毒などの対策をしていますが、今回の感染爆発は発生時期も10月からと早く、数も多い。心配しているところです」と話す。
羽鳥は「そのため卵の価格が上がっており、福岡市のスーパーでは1年前1パック178円だったものが現在269円。来月には300円を超す可能性があると言います。また1000パック注文したのに、200パックしか入荷しない現状だそうです」と伝えた。
鶏卵業界では、卵の供給不足を防ぐために、本来は1年半くらいで引退させる鶏の産卵を継続させたり、在庫調整などで余った卵も市場に回すなどの対策を進めている。
角田さんは「鳥インフルだけではなくエサの高騰もあり、値上げさせていただいてます」と話す。それでも野村農水相は「一般に出回る卵に関しては全く心配ないが、マヨネーズなどの加工用卵は不足気味だ」と9日にコメントしていることをパネルで紹介した羽鳥は「全く心配ないということはないと思います。現場は大変なんですから」と即座に大臣コメント内容を否定。
角田さんによると「加工用卵は別に作っている。加工用がダブつけば生食用に回さざるを得ないのでしょうが...」という。
これを聞いた羽鳥は「大臣の考えは現場の話とだいぶ違うと思います」として「鶏肉にも影響が出ており、大分の郷土料理・鶏飯を作るメーカーは12月の入荷量3分の1に落ちているそうです。来週以降の入荷のめどはたっていないそうです。そのため直売所の営業は停止、ギフト用の注文も断ったということです。
大分と東京で二拠点生活をしている社会活動家石山アンジュは「スーパーの卵10個入りパックが100円台から300円台までありますが、100円台の卵は減っている。また大分は鶏肉の消費量で常に上位を争う地域で、から揚げ屋が1キロ圏内に複数軒あるので影響は大きいと思う」とコメント。
弁護士の徐東輝は「ニワトリは日本に1億4000万羽いて、人口と同じくらいだと考えると、そのうち1000万羽が殺処分というのは大きな数字。卸市場ではもっと価格が上がっているはずだが、小売りが頑張って抑えているはず。大臣の『まったく心配ない』という発言はあり得ないこと」と指摘した。
卵や鶏肉以外では水族館にも影響が出ている。東京・池袋のサンシャイン水族館では人気のペンギンの屋外展示を中止、代わりにパネルのペンギンを配置している。また水槽の上に防鳥シートをかぶせペンギンへの感染を予防しているという。
石山アンジュは「渡り鳥から感染するとしたら水際対策ができない。流通しているものを食べても人間には感染しないのだから、たくさん買って応援することが必要と思う」と指摘。
弁護士の徐東輝は「政府も鳥インフルエンザへの対応を真剣に考えないといけない」とコメントした。
(バルバス)