「安倍元総理が銃撃された事件で、山上徹也容疑者の鑑定留置が終了し、身柄が警察署に移されました。検察は刑事責任能力があったと判断して、殺人罪で起訴する方針です。また、山上容疑者の伯父によると、この間、山上容疑者への差し入れが絶えず、現金を送ってきた人もいたということです」と司会の羽鳥慎一。
また、ネットの署名サイトには減刑を求める1万を超える署名が集まっているといい、山上容疑者の生い立ちに同情を寄せるコメントもあるそうだ。
「そこは注意しなくてはならない」
森山みなみアナは新聞記事などを引用しながら山上容疑者がこれまでに語ってきた「言葉」を紹介。11日(2023年1月)の「モーニングショー」は、そこから見える山上容疑者の心境に迫った。
「山上容疑者は逮捕後、『統一教会に恨みがあり、安倍氏がつながっていると思った。安倍氏を襲えば統一教会に非難があつまると思った』、事件については『やるべきことをやった』と供述しています。また、鑑定医の質問に対し、統一教会について繰り返し聞かれ、『同じ質問ばかりでうんざり』と話していたといいます」(森山アナ)
犯罪心理学者の出口保行氏は、こうした言葉から「自身の行為に正当性があるという考えは揺るがず、反省はしていない」と分析する。
「本人にしてみると、長い時間かけて計画をして、それを実行した。その間の思いというのは1つだろうと思う。自分が成し遂げたいと思っていた動機に沿ってこの事件を起こしたのだということについては、何も揺らぐところはないわけですから、起こるべくして起きた事件、起こすべくして起きた事件だと認識しているのだと思います」(出口氏)
羽鳥「罪を償いたいとは供述しているようですけれども」
出口氏「もちろん、自分が行ったことが犯罪行為であるということは、本人は最初から了解していた。この事件が起きた後、罪を償うことについても何も疑問を持っていないと思います」
スタジオでは、一部の人が山上容疑者を英雄視していることを危険視する声が上がった。
安部敏樹(社会起業家)「彼だけじゃなく、何らかの犯罪があった場合、その背景にはその本人の成育や社会構造に何らかの課題、事情があるもの。それが大前提の上で、それでも現在の社会のルールでダメなものはダメ。そこの部分は特別視することではなく、彼の起こした罪についてはしっかり裁くというスタンスを変えてはいけない」
この論点に、出口氏も賛同。「どんな理由があっても正当化はできない。今回の殺人事件を正面から捉えてほしい」と訴えた。
出口氏「例えば、その育ち方に同情することイコール犯罪を正当化するということには一切ならない。情状面のところと本人が起こしたことは引き離して考えないと、こういうような事件が半ば正当化されてしまうという現象が起きてしまうので、そこは注意しなくてはならない」
(ピノコ)