インフレ率を上回る賃上げを目指すとしている岸田文雄首相は、きのう5日(2023年1月)に開かれた経済3団体の新年祝賀会で、「日本全体の賃上げを引っ張り上げるのは、ここにいる企業の皆さんです。ぜひご協力を」とあいさつした。果たして、この春に賃金は上がるのか、経営者たちはどう考えているのか。「めざまし8」は参加していた経営トップにインタビューして、6日の放送で報告した。
鈴木円香「その程度は上げて当然かなと」
まず、「ローソン」の竹増貞信社長は「(賃上げは)物価上昇率以上はしたい。3%前後はしっかり見据えておかないといけないな」と話す。IT大手の「DeNA」の南場智子会長は「IT業界は人材が一番の重要な資産ですので、ずっと毎年5%くらい賃上げをしてきてます。政府に言われたからとか、団体に言われたから上げるとかはまったくないです」という。岸田首相や労働団体に言われるまでもなく上げるというわけだ。
「すかいらーくホールディングス」の谷真会長兼社長は「社員の生活防衛が重要。(30~40代社員で)月に8000円くらいは上がることになるでしょう」と具体的に語り、「サントリーホールディングス」の新浪剛史社長は「(物価上昇を超える)6%を目指す」と言い切った。
どうやら、経済3団体に加盟している大手企業は、上げ率はともかく、賃上げは実施するということのようだ。金曜コメンテーターの鈴木円香(ニュースメディア「ウートピ」元編集長)はこう見る。
「そのくらい(インフレ率超)は上げてもらわないと困るなというのと、日本のインフレ率は欧米に比べてまだまだ穏やかなので、その程度は上げて当然かなと思います。ただ、インフレだから賃上げするというのはおかしな発想で、利益を上げたから賃金に反映するという流れをちゃんと作っていってほしいですね」
空前の額に積み上がっている企業の内部留保を取り崩して賃金に回すのか、経営者の覚悟が試されている。
(カズキ)