「コロナ感染経験ない人はNO」 中国の求人状況を羽鳥慎一が紹介

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   司会の羽鳥慎一が「新型コロナの感染が急拡大している中国、各地で感染率が50%を超え、国民の半数以上が感染したともいわれています。こうした中で、感染歴のない人が店の利用を断られるというケースも出てきています」と5日(2023年1月)の「モーニングショー」で切り出した。

  • 中国の現状は?(写真はイメージ)
    中国の現状は?(写真はイメージ)
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お店でも

   中国では3年近く続いたゼロコロナ政策が11月に緩和されて以降、初めての年末年始を迎えた。北京市で行われた大みそかのカウントダウンでは街を埋め尽くすほどの人々が新年を祝っていた。初もうで客が数百メートルも行列を作るほど殺到、事前予約だけで3万人を超えたという。四川省でも街中を人が埋め尽くし、ハート形の風船を飛ばして新年を祝った。河南省では若者たちが禁止されたエリアで花火や爆竹を鳴らしパトカーに追跡されるトラブルも発生している。また同省の老君山には2万人が殺到、人が多すぎて下山できず立ち往生するという事態になった。

   街中ではこれまでに見られなかった光景も。「陰性者お断り」の店が現れているのだ。吉林省のラーメン店では店主が客に「感染したことはありますか?」と質問。客が「ある」と答えると、「それなら大丈夫です。今、陰性の方は断っています」。別のラーメン店では看板に「陰性者の入店お断り」と掲げている。遼寧省の理髪店では訪れた女性客に感染したことがあるかと聞き、感染していないと答えると「感染していないなら帰ってくれ。店内にいるのは感染経験者だけだ」と追い返す光景も。その理由は、理髪店の店主が感染から回復したばかりだから。「感染させられないよう早く帰ってくれ」と女性客を追い返した。

   12月31日にはSNSで、オミクロン株には胃腸薬がいいというデマが広がり、薬局から胃腸薬が売り切れ、普段1000円の胃腸薬が4000円で売られている店もあった。

   広東省では1月1日、火葬場に車50台以上が並ぶ長蛇の列ができていた。安寧省や上海でも火葬場に行列ができている。遼寧省の火葬場では年末、火葬が追い付かず、安置室に棺桶が満杯状態で並ぶ事態になっていた。北京市では急遽、火葬場の建築が始まっていた。

   医療のひっ迫も深刻で、上海の病院では病室では収容しきれず、廊下にベッドが並び、屋外のベッドで点滴を受ける姿もある。職員の疲労もピークで点滴を受けながら勤務に当たる看護師もいる。

   テレビ朝日の中国総局長・冨坂範明は「日常会話で『感染しましたか』と聞かれ『まだ感染してない』と答えるとビックリされる。感染してないと食事にも誘われず、感染していない人のほうが肩身が狭い」と話す。過去に感染したことがある「陽過」や、感染して回復したという「陽康」という言葉が新語として定着しているともいう。

   羽鳥が求人状況について「ドライバーの求人で感染したことがない人はダメというものや、感染経験者だけを求める美容師の求人、宅配ドライバーも感染したことがあることが必須条件になっている」と報告。

   社会活動家の石山アンジュは「日本でも感染対策をしていても感染者が増えている。中国がこうした方針転換をして、感染対策が十分じゃないとこれだけ急激に広まるということなんでしょうね」と驚く。

   弁護士の徐東輝は「驚きです。感染することそのものがリスクになる高齢者や基礎疾患を持っている人もいる。そういう方々に対しては『陰性者お断り』というような言葉が攻撃的なものになってしまう。先進諸国ではワクチン接種が経済活動の条件になっているが、中国では国民がワクチンを信用していないということなのか?」と専門家に質問。

   中国事情に詳しい阿古智子・東大教授は「中国にはファイザー製ワクチンもモデル菜製ワクチンも入っておらず、国産ワクチンへの信頼度も低いという面はある」と説明した。

(バルバス)

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