黒木華と杉野遥亮の「姉弟」に癒されまくり <2022年マイベスト・ドラマ>

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   どうやら私は疲れているらしい。だからかドラマに求めるのはダントツ「癒し」。なので、今、流行りの「考察」ドラマにはほとほとうんざりしている。実はあれが伏線だとか、これで伏線回収だとか、うっせ~うっせ~うっせ~わ、だ。

   極論をいえば、連ドラには何かしらの伏線が張り巡らされているわけで、それを全11話、もしくは12話を通して描く。伏線のないドラマなど皆無。それを目くじら立てて鼻息荒く騒ぎ立てるなどみっともないのでは。終わってみればあれが伏線だったのか、と気づくぐらいがちょうどいい。

  • テレビ東京サイトの「僕の姉ちゃん」番組ページより
    テレビ東京サイトの「僕の姉ちゃん」番組ページより
  • テレビ東京サイトの「僕の姉ちゃん」番組ページより

しんどい時に見たいドラマは...

   M-1王者のウエストランドではないが、メッセージ性が強いドラマは得てして息苦しいもの。重い鉛のような荷物を受け取ってしまい、逆にどんよりしてしまう。だから、しんどい時にはそんなドラマなど見たくない。

   というわけで、2022年のベスト1は「僕の姉ちゃん」(テレビ東京系、7~9月)。黒木華演じる姉・ちはると、杉野遥亮演じる弟・順平の日常に癒されまくり。特に事件が起こるわけでもなく、姉と弟の淡々とした会話がメイン。女性に対してまだまだ夢見がちな弟に、水をぶっかけるように女性の真実を語る姉のユーモアかつ辛辣な言葉、それを聞ききょとんとする弟。2人の関係が絶妙だった。

   第2話「指の毛」では「女だって指毛生えるんだよ」「女子の本気度は毛でわかることもある」と、気になっている会社の女子と映画館デートの約束をし、舞い上がる弟にレクチャーし、それを受けて彼女の指の毛を恐々見ようとする弟。ユーモアたっぷりな味付けがいい。映像も美しく、劇伴も最高。即効性はないけど、あとあとじんわりと効く漢方薬のようなドラマでした。

(大熊猫)

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