「鎌倉殿の13人」ベスト回は第何話? 解説動画のミスター武士道が振り返る
<歴史好きYouTuberの視点 年末特別編>

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終・善児?

   そして、候補3本目には「第33回 修善寺」を選びました。

   2代将軍頼家の最期も衝撃的でした。

   後ろ盾の比企一族を失い、北条時政・義時の思惑によって伊豆に幽閉されてしまった頼家。後鳥羽上皇と結託して倒幕を計画していたところを、義時の刺客、善児とトウによって殺害されました。

   頼家の死に関しては、『吾妻鏡』では詳細は語られず、『愚管抄』には義時の手の者によって殺されたと記されますが、理由までは不明です。実際に頼家と後鳥羽上皇が結んでいたかはわかりませんが、頼家を支持する御家人は健在であり、北条時政・義時らが争いの火種を消そうとしたのは疑いないでしょう。

   さらにこの回は、鎌倉殿の13人最凶オリジナルキャラ・善児退場の回でした。修善寺で「終・善児」。ダジャレか!?と思わず突っ込んでしまいましたが、三谷さん曰く偶然だそうです(番組公式サイトより)。

   個人的に頼家は鎌倉殿の13人で最も注目していたキャラクターだったので、この回は特に印象に残っています。最後の立ち回りは見事でした......が、見せ場を善児に全て持っていかれた感は否めませんでした(笑)。

   以上、私の特に印象に残った回を3つ挙げさせていただきましたが、これ以外にも、「第25回 天が望んだ男」(頼朝落馬)や「第31回 諦めの悪い男」(比企能員の最期)、「第45回 八幡宮の階段」(実朝暗殺事件)など、印象深い話がたくさんあり、1つには絞れません! 最も心に残った回は......全部です!

   本当に1年間楽しませていただきました! 来年も大河ドラマ「どうする家康」について、YouTubeチャンネル「戦国BANASHI」での解説や、当「いざ!大河ドラマ」連載を続けていきます。どうぞよろしくお願いいたします。

   さて、今回の記事はここまで。ドラマに関するさらに詳しい解説は、是非「戦国BANASHI」をご覧ください。それではまた来年、お会いしましょう。さらばじゃ!

(追記:参考文献など)今回の参考文献は、『史伝 北条義時 武家政権を確立した権力者の実像』(山本みなみ著、小学館)、『現代語訳 吾妻鏡』(吉川弘文館)など。エビデンスには細心の注意を払っておりますが、筆者は一歴史好きYouTuberであり、歴史学者・研究者ではございません。もし、間違い指摘やご意見などございましたら、この記事や動画のコメント欄で教えて頂ければ幸いです。


++ 「ミスター武士道」プロフィール
1990年、三重県四日市市生まれ。年間100冊以上の歴史に関する学術書や論文を読み、独学で歴史解説や情報発信をするYouTuber。
一般向け歴史書籍の監修、市や県などの依頼を受けて、地域の歴史をPRする動画制作なども手掛ける。2019年に歴史解説チャンネル「戦国BANASI」を開設。2022年冬には登録者数が13万人を突破した。22年12月には『家康日記』(エクシア出版)を公刊。

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