新しい義経像
次の候補に挙げたいのは、「第20回 帰ってきた義経」。
様々な反響を呼んだ、菅田将暉演じる義経も忘れられません!
義経と言えば悲劇のヒーロー。判官贔屓という言葉が生まれるほど、その死を惜しまれた人物です。
義経は様々な創作物の題材にもなっており、その実像については今も研究が続けられていますが、「鎌倉殿」の義経はかなり尖っていましたね。
勝利のために手段を選ばない義経は、ときにサイコパスと言われることもありました。 そんな義経の最期は、悲しくも、どこか穏やかなものでした。
身を寄せた奥州の藤原泰衡に裏切られ、衣川の館に追い詰められる義経。頼朝の使者として訪れた義時に、鎌倉攻めを想定した最後の奇策を披露しました。この奇策はのちに梶原景時へ伝えられ、彼を感嘆させました。(これはドラマのオリジナルです)
そして義経は、死地に向かった弁慶の活躍をひっそりと見守っているシーンで退場。首となって鎌倉へ帰ってきました。
あれだけ大暴れした義経の最期が、こんなに静かなものになるなんて......まったく予想外の展開でした。単なる悲劇のヒーローではなく、清濁併せ持った英雄として描かれた義経を生涯忘れることは無いでしょう。