厚労省が5年に一度発表した「平均寿命ランキング」は、滋賀県が82.73歳で男性1位、女性も88.26歳で2位となった。一方で、小中学生の全国の体力テストは男女ともに過去最低となった。長寿国ニッポンも、先行きに暗雲がただよってきたか。26日(2022年12月)の「THE TIME,」が特集した。
スポーツ庁「コロナ禍で体を動かす機会が減った」
男性の2位は長野県の82.68歳、3位は奈良県で82.40歳だった。女性の1位は岡山県の88.29歳、3位は京都府の88.25歳だった。
滋賀県の健康寿命推進課によると、非喫煙率が全国1位で、多量に飲酒する人が少ないためではないか、という。ボウリングが全国3位の人気で、泳ぐのが好きな人が全国4位(平成28年社会生活基本調査)という影響があるのかも。
一方で、男女ともに最下位だったのが青森県。男性の寿命は79.27歳、女性は86.33歳。県の担当者によると、「塩分摂取量が多いことが一因か」。
一方で、スポーツ庁が23日に発表した小中学生の「全国体力テスト」の合計点は、いずれも過去最低を記録した。ちなみに、小学生女子が約54点で最も高く、小学生男子が約52点。中学生女子は約47点、最も低かった中学生男子は約41点だった。
逆に、「肥満」の割合は増えて、小学生の男女、中学生の男子ともに過去最高だった。コロナ禍で身体を動かす機会が減り、テレビやスマホを見る時間が増えたことが要因ではないか、とスポーツ庁は見ている。
運動会の中身は大きく変わった。ひとむかし前の人気競技だった「騎馬戦」や「棒倒し」について、今の子どもに聞いてみると。「危ないですね。人がいっぱいいて棒を倒すって」(中学2年男子)、「(騎馬戦)落とされたら絶対怖い。あと、泣くし、痛そうだし」(小学5年女子)。小5の子どもがいる母親は、「ケガが続出した時があったみたいで、やらないようにしようという風潮(になった)」。例えば、騎馬戦は、ロープの先についたボールを、的に当てる「ローハイド」に代わった。「乾布摩擦」(1967年の映像)を見た子どもたちは、「すごい」「身体を清潔にって意味なのかな」「やだ。絶対、寒いからやりたくない」。
ボールの使用を禁じた公園が増えるなど、体力作りも難しくなっている。
MCの安住紳一郎「体力が低下してきた、ということを悪いニュースととらえるならば。コロナの影響、社会が不寛容になったことが、もしかすると子どもたちへのしわ寄せになっているのかな、というところもありますが。この問題だけじゃありませんね。そろそろ、その歪みを訂正したいと考えている人が多いのではないでしょうか」
(栄)