司会の羽鳥慎一が「ゼロコロナ政策が緩和され感染者が急増している中国で、一部の地方政府が、軽症や無症状の場合に通常通りの出勤を可能とする通達を出しました」と切り出した。22日(2022年12月)のモーニングショー。
中国では今、薬不足と感染の拡大から「コロナにはレモンが効く」というデマが拡大し、町ではレモンの奪い合いが起きている。レモン業者は「ツキが回ってきた」と喜ぶ。つい最近まで1箱3800円だったレモンが、現在は7600円と値上がりしている。
春節大移動の影響は?
臨時の発熱外来には人が殺到、CNNは「準備不足のままゼロコロナ政策を打ち切ったことで、100万人近い死者が出る可能性がある」と報じた。そんな中国で今増えているのが「青空点滴」。湖北省では病院の外の椅子に座って点滴を受ける人が多数。「ドライブスルー点滴」も行われていた。薬局では在庫があるにもかかわらず解熱剤を売ってくれない現象が起きている。一部の地域では解熱剤はバラ売りするよう決められており、1人1週間に6錠までと制限されているためだ。
中国メディアによると、感染拡大で患者が殺到している病院では人手不足で、陽性判定の出た医師が点滴を打ちながら診察しているという。企業も人手不足が深刻で、重慶市政府は12月19日「無症状や軽症の場合は通常通り出勤可能」という通達を出した。SNSでは「陽性で出勤なんて理解できない」「会社を休んじゃダメなの?」と困惑と怒りの声が飛び交っている。
中国支局の冨坂範明記者は「社会を回す人が足りないため、軽症や無症状の人は手伝って、という政策。それでもゼロコロナ政策よりはいいという人もいる。そんな中で懸念されるのが年明け恒例の春節時の大移動です。国内移動の制限はない状態。海外移動についても年明けには制限が緩まる可能性があります。14億人の人が大移動する中には、無症状や軽症の人も含まれており、感染がさらに拡大し、変異株が発生してしまう恐れがあります」と伝えた。
国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「無症状・軽症者が出勤可能という通達をせざるを得ないほど感染が広がっている。相当の人が感染し、mRNAワクチンが普及し多くの人が抗体を持っている欧米と比べ、中国はほとんどの人が感染しておらず、有効なワクチンを使用していないため抗体を持った人が少なく、相当な死者が出る恐れがある」と指摘。
冨坂記者によると「北京市内では火葬場の予約が取れない状況。それでも死者は3日で7人しか出ていないという発表がされています」。
社会活動家の石山アンジュは「緩和しても対策が不十分なら感染爆発してしまう。死者が急増しても政治の失策とは認めないだろう」と指摘。
弁護士の徐東輝は「中国ではワクチン接種率90%と言っているがかなり怪しい。中国製ワクチン『シノバック』ではオミクロン株に対応できないといわれており、感染拡大が止められない状況。死者が大量に出たら、政権はそれに耐えられるのか?」と話した。
羽鳥は「変異株の発生は心配です」とコメントした。
(バルバス)