「ゼロコロナ政策が事実上崩壊して、混乱が起きています。そして日本では風邪薬を爆買いする中国人が急増していて、中国ではデマが拡散して様々なものが今、売り切れています」と司会の羽鳥慎一。19日(2022年12月)の「モーニングショー」は感染爆発の真っ只中にある中国の今を伝えた。
番組はVTRで北京の様子を紹介。火葬場の前には遺体を乗せた車の長蛇の列ができているが、中国の衛生当局は4日以降、連日「死者数ゼロ」と発表しているといい、ネット上では「コロナに感染し、死亡した人がいるのになぜ公式統計には新たな死亡例がない?」「『死者なし』。誰がだまされる?こんな中国を愛し続けることはできない」などという書き込みが相次いでいるそうだ。
羽鳥慎一「自分たちで情報を得て考えて...」
テレビ朝日の冨坂範朋・中国総局長は、中国・北京から中継でリポート。閑散とした街に立ち、こう伝えた。
「2日くらい前に、西単という日本でいう原宿のような繁華街を取材しましたが、そこはまさに人っ子ひとりいないゴーストタウンのような状況でした。コロナに感染した人は発熱などで家から出られなくなっているうえに、感染していない人も感染が怖くて家から出られなくなっている。私の実感では、知り合いの6~7割が感染しているという状況です」
番組によると、そんな中、買いだめが起きているのが「桃の缶詰」。「桃の缶詰を食べるとコロナの症状が緩和する」というデマが広がっているためだという。
そのほかにも、「みかんを食べると抗原検査で陽性になりやすい」という噂も広がったそうだ。これには出演者から笑いが漏れたが、中国の社会問題に詳しい東京大学大学院の阿古智子教授は「笑っちゃうかもしれないですけど、何が正しいか分からない混乱状態にあって、それがどんどん広がっていく。恐ろしいことですね」と話した。
山口真由(信州大学特任教授)「『信じられない』と思いますが、やっぱりその背後にあるのは社会不安。(中国の人たちは)中国政府の言うことを鵜呑みにしているのではなく、潜在的な不信感というものがある。だから自分たちの中に情報に飛びついてしまう。その温度がどのくらい沸騰するのか、または収まるのかは未知数ですよね」
羽鳥「それぞれみなさん、自分たちで情報を得て考えているっていうことですよね」
阿古教授「普段から実はそうなんです。政府のことは信じていない。自分たちで何とか身を守ろうとしているのが実態で、表向きと裏側の部分をかい離させながら、調整してきた。でも今、こういう事態になった時に、民間の情報もかなり混乱している状態ではありますね」
(ピノコ)