夜空に浮かぶ光のショーは花火だけではない。今日19日(2022年12月)の「スッキリ」は、数百機のドローンによる立体的なショーを手掛けている「レッドクリフ」の制作現場や演出の裏側に迫った。
昨21年12月、北海道で開催した「クリスマスドローンショーin上士幌」では、300機のドローンが夜空を舞い、鮮やかなツリーやそりを引いて走るトナカイなどで、クリスマスの世界観を演出。今年の2月には川崎競馬場でも、馬が走る動きやニンジンなどで光のパフォーマンスを披露した。今年6月の横浜開港祭では、500機のドローンで、海から飛び出すクジラや地球を上空に描き、訪れた人たちをうならせた。
高性能なシステムを組み合わせ、ぶつからないように操作
ドローンはレッドクリフがオリジナル開発した両手に収まるほどの小型。LEDで13万色が表現ができ、現在900機を所有しているという。事前にプログラムを作り、1台のパソコンから数100機のドローンにデータ送信し、GPSとRTK(リアルタイム・キネマティック)という高性能なシステムを組み合わせ、ぶつからないように操作しているという。
レッドクリフ代表の佐々木孔明さんは28歳。大学は建築学部で建築士を目指していたが、休学して世界一周をしたときにドローンを知り、世界各地を空から撮影して楽しんでいたという。帰国後、ドローン専門会社に勤務していたが、2019年に東京モーターショーで海外のドローンショーチームのパフォーマンスを見て、衝撃を受けたという。
さらにドバイに遊びに行った時に見たドローンショーで、企業ロゴが夜空に出てきたのを見てビジネスになると直感。帰国後、早速資金を集めて300機のドローンを購入、昨年12月初めてのドローンショーを北海道で行ったそうだ。
「子どもからお年寄りまで幅広い層に喜んでもらえた。立体的なアニメーションに『すごい』と言ってもらえ、かなり手ごたえを感じた」と佐々木さん。「離れた場所でも、ドローンが上がった時の歓声が聞こえてくるので、頑張ってよかったなと、やりがいを感じる」
レッドクリフは「スッキリ」のために特別に演出したドローンショーを披露した。番組テーマ曲に合わせ、「スッキリ」の文字やキャラクターが夜空に浮かび上がり、加えて、番組が来年3月いっぱいで終了するのに合わせ、「17年間 ありがとう」と感謝の文字も。
司会の加藤浩次は「いやあ、本当に申し訳ないですね。ありがとうございます。感謝しかないですね」と神妙だった。
報告した森圭介アナによると、ドローンショーは中国が世界の最先端を行っていて数千機を同時に動かせるという。日本はまだまだ「伸びしろ」がありそうだ。
(コムギ)