私は最近、Netflixで2021年のアメリカ映画「クライ・マッチョ」を見ました。監督・製作・主演をクリント・イーストウッドが務めています。この作品を作ったとき、彼は91歳でした。(この原稿はネタバレを含みます)
マイク・マイロ(クリント・イーストウッド)は、かつてロデオの王者でしたが、現在は落ちぶれ馬の調教師で生計を立てています。妻子を交通事故で亡くしてから、酒と麻薬で荒れた生活を送っていたところを、テキサスで牧場を営む男に救われたのです。
ある日、その牧場主から、とある仕事を持ちかけられます。それは、メキシコでアルコール依存症の牧場主の妻のもとでひどい暮らしをしている息子、ラファエル・"ラフォ"・ポルク(エドゥアルド・ミネット)を、自分の元に連れ戻してくれたら、5万ドル支払うという内容でした。
牧場主に借りのあったマイク(クリント・イーストウッド)は、依頼を引き受け、メキシコに向かいます。
マイクが少年に伝えたかったことは?
メキシコにいる牧場主の妻はパーティー好きでやりたい放題をしていました。息子のラファエル(エドゥアルド・ミネット)も荒れた生活をしていましたが、かつてロデオ王だったマイク(クリント・イーストウッド)や牧場の生活に憧れて、テキサスに向かうことにします。その道中、2人は交流を深めていくのです。
妻の部下が、しつこくいろいろ邪魔をする中で、彼らはメキシコの食堂で若いおばあちゃんに出会います。彼女は、夫と娘夫婦を病気で亡くしていました。彼らと、その若いおばあちゃんとの関係もとても良いものになっていきます。
マイク(クリント・イーストウッド)とラファエル(エドゥアルド・ミネット)の2人が良いのです。おじいちゃんと孫くらい年が離れている2人の関係が、徐々に良くなっていく過程に温かいものを感じます。
最後に、国境まで迎えに来た牧場主に息子を引き渡すときに、マイク(クリント・イーストウッド)は、寂しそうにしているラファエル(エドゥアルド・ミネット)に、「俺のいる所は、わかるだろう」と一言。ラファエルはうなずき、何度も振り返りながら父の元に行きます。そしてマイクは、メキシコの若いおばあちゃんの元へ。
クリント・イーストウッドは、とても90歳を超えているようには見えないくらい元気で、感嘆しました。