司会の羽鳥慎一が「防衛費増額の財源を巡る自民党内の会合で、法人税、所得税、たばこ税の3つの増税が了承されました。ただ、その時期については決まっていません。反対派は『事実上の無期延期だ』という声も上がっています」と切り出した。16日(2022年12月)の「モーニングショー」。
15日に開かれた自民党税制調査会幹部会合には松野博一官房長官も出席。「明日までに大綱をまとめてほしい」と、43兆円を目指す防衛費について協力を求めた。2027年度に不足するとされる1兆円の財源について岸田文雄首相は「増税」を表明している。
「...というところは指摘されるべきだなとは思います」
番組は、会合で了承された増税の内容を解説した。所得税については、現在の復興特別所得税2.1%を1.1%に引き下げ、課税期間を延長。引き下げた1.0%分を新たに新設する防衛目的税とする。法人税については、税額に4~4.5%を上乗せ。ただし所得が2400万円を下回る中小企業には追加負担がないよう配慮する。たばこ税については、加熱式たばこを1本あたり3円、段階的に引き上げるとしている。一方、増税を実施する時期については「2024年以降の適切な時期」と具体的には明記せず、来年の税制調査会で再び議論することが決まった。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「増税が今すぐではないとすることで反対派への配慮を示した。来年4月の統一地方選挙への影響も懸念したのではないか」と話している。
スポーツコメンテーターの長嶋一茂は「防衛のイメージをどう描いているのか。ウクライナで起きている戦争とは違う水面下の戦争で抑止力を大きくすると言っても、北朝鮮のミサイルを打ち落とすPAC3などの兵器に実用性はあるのか。中国も領海侵犯しているが、1兆円でどのように安全が担保されるのか、説明してから増額してほしい。復興税を1%減らしたときに復興がどうなるのかのリサーチもない。コロナの時に税金を使ったのと同じで、行き当たりばったりで、抜けがけ的なイメージがある」と主張。
バイオリニストの廣津留すみれは「国民のことを本当に考えてやっているのか、上のほうで焦って決めているだけの感じもする。個人が払う税額が増えないように工夫したのだとは思うが、被災地の人からしたらこっちが優先ではないかとなる。課税期間を延長するとしても、どっちが優先なのか説明していただくことが必要だと思います」と指摘した。
羽鳥は「説明不足と決まるのが早すぎるというところは指摘されるべきだなとは思います」と同意した。
(バルバス)