NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」12月11日(2022年)放送回。いよいよクライマックスに入っていく。幕府の後継者争いが発端となり荒れる京。朝廷の象徴である内裏が焼け落ち、その再建費用を、後鳥羽上皇(尾上松也)が日本中の武士から取り立てようと決める。(ネタバレあり)
義時追討の命が
しかし北条義時(小栗旬)は、政子(小池栄子)と大江広元(栗原英雄)の支持を得て、要求を先送りにすることを決断。その後、後鳥羽上皇との関係が悪化を極め、ついに上皇は義時追討の院宣を御家人たち送る。
朝廷の狙いはひとつ、義時の首という稀な院宣がくだされた。そして義時は、鎌倉を守るために自身の首を差し出すと考える。義時のメモリアル伊豆ライフのシーンがあったが、この決断、小四郎の頃の優しさが垣間見えて目頭が熱くなった。
そして御家人を集めて義時の決断を発表しようとすると、尼将軍が登場。出ました有名大演説である。準備していた表明文章を捨てて、自らの言葉で思いをぶつけた政子。頼朝が作った鎌倉を京の思うままに渡すわけにはいかない。政子は止めようとする義時を厳しく制し、御家人に向けて官軍と戦う覚悟を決意させた。
心が広いのは執権としての業績をたたえながら弟を救ったこと。その前に政子は妹も救ったゆえに、きょうだいの絆を感じたし、何より政子自身の鎌倉への愛、坂東武者としての威厳を強く純粋に感じ取れた。だからこそ御家人たちが、心をひとつにできたのであろう。誰よりも傷つき、誰よりも鎌倉を愛しているのは政子なのだと再認識した場面。
義時の涙にも胸が熱くなった。嗚呼、こういう御人が現の日本のリーダーに欲しい。「かの有名な政子の演説シーンにグッときた」「今の日本人に欠けているものを見た気がします」「ここに来て鎌倉が1つになった」「尼将軍の演説の時は義時の気持ちになると泣けてきました」などネットでも反応が相次いだ。
小池栄子さんの名演にも拍手だ。そして太郎も頼もしくなった。御家人も北条家の兄弟も一致団結で久々にスカっと気持ちがよかった。いよいよ最終回か思うと興奮が止まらない。
(Y・U)