「相棒 season21」(テレビ朝日系)12月7日(2022年)放送の第8話「コイノイタミ」で、捜査一課の刑事、伊丹憲一(川原和久さん)と、杉下右京(水谷豊さん)とのやり取りに、作品ファンらが胸を熱くしていた。(ネタバレあり)
この回は憲一が、監察官の大河内春樹(神保悟志さん)に
「夫も子もある女性に横恋慕をし、刑事の身分を利用して彼女の部屋に押し入った。釈明はあるか?何とか言ったらどうだ、伊丹巡査部長!」
と詰め寄られる場面からスタートした。
「伊丹刑事が無謀な家宅捜索をしたのは...」
憲一と芹沢慶二(山中崇史さん)、出雲麗音(篠原ゆき子さん)は、殺人事件の容疑者に浮上した篠塚悦雄(檜尾健太さん)のアパートで張り込みをしていた。悦雄の妻の由香子(霧島れいかさん)が帰宅すると憲一は急に車を飛び出し、部屋に押し入った。
憲一は由香子が勤務する弁当屋に通っていて、慶二と麗音は2人が交際しているとにらんでいた。亀山薫(寺脇康文さん)が由香子の元をたずね、「伊丹のこと、どう思ってますか?」と聞くと、由香子は悦雄に暴力をふるわれていて、憲一から
「人にはそれぞれ事情があるかもしれませんが、相談してもらえれば力になります。私で良ければ、全力で力に...」
「もし暴力をふるわれそうになったら、私に連絡を。必ず力になります」
と言われていたことを明かした。
一方で憲一は、直近で会った時に由香子の指の爪がはがれていたことと、悦雄からしばらく帰ってこないという電話がかかってきていたこと。「ダメ人間なんです私。伊丹さんに気にかけてもらうほどの値打ちないですから。いろいろ本当にすみませんでした」と言われたことを思い出していた。
由香子は悦雄を殺害し、死体を山中に埋めていた。取り調べで右京は
「伊丹刑事があなたの目の前で無謀な家宅捜索をしたのは、事件が発覚する前にあなたに自首してほしかったからですよ。発覚前と発覚後では量刑に差が出ますからね」
と告げた。
「あなたは伊丹さんです。根っからの刑事です」
査問を見送られ、捜査一課に復帰した憲一が1人で特命係を訪れる。その場にいた右京に「警部殿は、篠塚由香子の犯罪にいつ気付いたんです?」と聞くと、右京は「あなたが彼女の家に押しかけ、令状も取らずに篠塚悦雄の家捜しをしたと聞いた時です」と明かす。
右京は
「他の刑事ならば、恋愛感情からそういう暴走も全くないとは言えません。しかしあなたは伊丹さんです。根っからの刑事です。ありえない。故にその暴走の裏には刑事の職を賭するに足る重大事件があるのではと直感しました。例えばそれがまだ発覚していない事件であれば、被疑者は篠塚由香子。被害者は消息不明の篠塚悦雄。あとは証拠を固めるだけ」
と、由香子にたどり着いた経緯を語った。
2000年にスタートした「相棒」シリーズ初回から登場し続けている憲一への、右京からの信頼が垣間見えたシーンに、ツイッターなどでは
「右京さんの中でイタミンが根っからの刑事っていうのがめっちゃいい!」
「右京さんがハッキリと『ありえない』って言ったのがもう涙だった、20年の重たさを感じた」
「長いシーズンの積み重ねが伝わる、右京さんの言葉がステキでした」
といった声が上がった。
(TT)