NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の12月4日(2022年)放送回は「第46回 将軍になった女」でした。登録者数13万人を超える人気歴史解説動画「戦国BANASHI」を運営するミスター武士道が、「第46回」の解説動画で最も熱く語りたかった「ツボ」は?
動画内容を軸に再解説します。次回放送をより楽しむための準備・復習にもお役立てください。(ネタバレあり)
ドラマでは時元の母・実衣がそそのかされて...
いや~乱世乱世。どうも、歴史好きYouTuberのミスター武士道です。今回も大河ドラマの内容に合わせて、歴史的な解説をしていきます。
鎌倉殿の13人第46回『将軍になった女』では、実朝亡き後の幕府の混乱を治めるため、政子が「尼将軍」になるまでが描かれました。
次の鎌倉殿を決めるため、北条義時と後鳥羽上皇の駆け引きが展開されるなか、源氏の血を引く阿野時元が鎌倉殿の座を狙って立ち上がります。
ドラマでは、時元の母・実衣が三浦義村にそそのかされて、時元を煽り、しかも三浦義村は裏で北条義時と繋がっていた......という恐ろしい展開でしたが、記録上はどうだったのでしょうか。
阿野時元の挙兵について、『吾妻鏡』には詳しいことが記されていません。
時元は、宣旨(天皇からの命令文)を賜って、東国を支配しようと企てたものの、 すぐに北条義時が、金窪行親ら御家人を派遣して、鎮圧されました。実朝暗殺からひと月も立たない建保七年(1219)二月二十三日、時元は追討軍に包囲され自害します。
あまりにあっさりとした吾妻鏡上の阿野時元の乱ですが、この事件に至るまでの過程や、時元の母・阿波局(ドラマでは実衣)についても一切記録が無いのです。
混乱する情勢の中で、身の危険を感じた時元が軍備を整えていたところを、謀反の疑いをかけられ誅殺されたのではないか、とする研究者もいます。
時元の父、阿野全成にも謀反の疑いがかかり処刑されていますが、同じように詳しい事情がわかっていません。頼朝の甥という源氏の血が、北条に危険視されていた可能性はあります。
ドラマでは描かれませんでしたが、同じように源氏の血を引く禅暁(公暁の弟)も、北条義時の命によって殺害されています。