オードリーの2人がMCを務め、今注目の有名人と「打ち合わせナシのフリートーク」を繰り広げる「あちこちオードリー」(テレビ東京系)。12月7日(2022年)放送のゲストは、オードリーとほぼ同期なのにあまり共演がない笑い飯の2人。2002年から9年連続で「M-1グランプリ(ABCテレビ)」の決勝に進出した「M-1の申し子」ならではの多種多様なM-1トークで盛り上がった1時間でした。
2002年の「M-1グランプリ」で、ほとんど無名だったのにいきなり3位を獲得した笑い飯。オードリー・若林正恭さんはボケとツッコミが入れ替わる斬新な「ダブルボケ」の誕生秘話に興味津々でしたが、「自然と『ボケ1回交代』になってた。ふだんから(2人で)飲んでいるときに、そんなので遊んでたんで(笑い飯・哲夫さん)」と、作り込んだわけではなく、あくまでも自然な流れで生まれたと話します。
伝説のネタ「鳥人」のあとに...
翌年以降も毎年決勝ステージに進出。何度も優勝候補に挙げられながら2010年の優勝まで9年かかったことについては、「2004年は1位かなと思ってたけど、アンタッチャブルさんが俺らより余裕で抜けてた。2006年もブラックマヨネーズさんが俺らよりも余裕で抜けてた、みたいな。1組おらんかったら俺ら優勝ちゃうんかい」と、率直な思いを吐露します。
2004年にはネタの制限時間を大幅に超えてしまう、という事件が発生。「M-1グランプリ」には1組4分半という時間制限がありますが、笑い飯のネタは6分半と、2分もオーバーしてしまったのです。もともと6分半のネタだったそうですが、ネタ合わせの際に早口でやったところ4分50秒と短縮に成功したため、決行することに。しかし本番ではきっちり6分半かかってしまい、スタッフが舞台袖で「番組潰す気か、あいつら。止めてこい!」と激怒し、以降は番組全体が制限時間に厳しくなってしまったのだそうです。
また、2009年の決勝1本目では、伝説のネタ「鳥人」で当時の審査委員長・島田紳助さんが100点満点をつけるなど高得点を獲得したのに、2本目の「チンボジ」がハマらず優勝を逃してしまう、という苦い経験も。哲夫さんはこの時のネタ選びを後悔しているそうで、「今なら鳥人があれだけ評価された後なら、土壇場でもメルヘンなネタに差し替えられたと思う。2本同じようなネタを揃えたら優勝できる、みたいな風潮はあるけど、当時は『チンポジ』がそれを乗り越えられると思ってた」と悔しそうに言いますが、この経験が翌年の優勝につながったのかもしれません。
興味深かったのは、2008年に敗者復活戦から勝ち上がってきたオードリーと笑い飯が決勝で対決したときの裏話。「オードリーはまったくノーマーク。名前も聞いてなかった」と言う西田幸治さんに、若林さんが「オードリーの漫才って、気に食わなくないですか?」と聞くと、「いや、気に食わなかったよ。何、キャラ決め込みやがってって」と返答。結局、この年はオードリーが準優勝で、笑い飯は5位。以降の「M-1グランプリ」ではそれまで異端とされてきたキャラ漫才がOKという空気に変わったと言います。
放送終了後のツイッターでは「笑い飯のM-1話だけで永遠に喋ってられるね」「オードリーがM-1でキャラ漫才をアリにしたことが後々のぺこばとかにつながってるのかな」といった感想が飛び交っていました。
(Hibunny)