11月28日(2022年)に敗血症で亡くなった俳優の渡辺徹さんの妻・榊原郁恵さん、長男の渡辺裕太さんが昨日12月5日、会見を開いた。今日6日の「めざまし8」は徹さんの最後の言葉や、亡き夫・父親に対する二人の思いなど、会見の様子を詳しく伝えた。
家族が徹さんの異変に気付いたのは、亡くなる9日前の11月19日。医療フォーラムの仕事で秋田に行った時から熱が出ていたという。郁恵さんと次男で病院に連れて行ったが、そこから容体は急変、その日のうちに徹さんは意識が混濁して集中治療室に移った。
「それだけ皆に楽しい記憶で覚えられているからだと」
「先生の最初の判断が細菌性胃腸炎ということだったのですが、そこから色々と急変したので、私が面会できる時間に合わせていただいて、ベッドのところまで行ける感じでした」(榊原郁恵さん)
「20日のうちに疲れちゃって、眠っているみたいな感じだった。(話は)僕はしてないです」(裕太さん)
裕太さんと徹さんの最後の会話は1カ月くらい前に裕太さんが実家に寄った時のこと。「あれ持ってけ、これ持ってけ」という郁恵さんをみた弟が「お兄ちゃんも大変だなあ」というのに対し「母親の息子歴33年だから慣れている」と返す裕太さん。これに徹さんが「俺はお母さんの夫歴35年だから」と返した言葉だった。一方、郁恵さんと徹さんの最後の会話は入院時の荷物に「お父さん何入れる?」という普通の会話だったという。
会見では二人に涙はなく、徹さんの思い出も次々と飛び出した。
「『赤いウインナーを食べたいんだ』と家出をしたウインナー事件も本当の話です。その後『ばかだなあ』と家に入ったのも本当の話です。通夜が終わって祭壇をバックに写真を撮った時、みんな笑顔だった。1年前のVTRみながら笑い話をして。感動させ、泣かせ、最後に笑うというその時間をそのまま感じられた。もうこれから私たち、ものを考える時に『お父さん何ていうんだろうね』というのが合言葉という感じ。皆さんに渡辺徹という人を忘れないでもらいたい。それも『ばかだよね』とか『マヨネーズ好きだよね』でも、しゃべってもらいたい」(郁恵さん)
延々と語る郁恵さんに裕太さんが「いつものこと。話が長いんです」と突っ込みを入れる。
「ここはいつも父親が止める役だったんです。いなくなっちゃたんで、僕がまだ下手なんですよね」(裕太さん)
徹さんの棺の中には「もうお父さん制限ないから」と山盛りのご飯をいれたというエピソードも語られた。
会見終了時には裕太さんが「ではこのあたり、父と共に失礼させていただきたいと思います」と締めくくった。郁恵さんも「お父さん帰るよー」と声をかけ、2人は天国の徹さんとともに会見場を後にした。
MCの谷原章介「大変な中気丈な会見でしたね」
立岩陽一郎(ジャーナリスト)「自分が死んだ時にこういうふうに家族が送ってくれるというのが、いかにこの人たちが素晴らしかったか」
谷原章介「徹さんがそれだけ皆に楽しい記憶で覚えられているからだと思うんですよね」
武井壮(タレント)「僕も子供の頃から見ていた大先輩。デビューして緊張して挨拶に行ったら、笑顔で『よろしくね』と暖かく受け入れてくれる方。郁恵さんも裕太さんもやさしくて明るい柔らかなご一家で、そういう良い時間があの二人の笑顔でのお別れにつながったんだと思います」
谷原章介「明るくて温かい笑顔。それが皆さんの中で生き続けると思います」
(みっちゃん)