平野レミにブレーキ? 今回の「早わざレシピ!」への違和感の正体

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   年に数回、年末年始や祝日などに不定期で放送されるこの番組を楽しみにしている人は多い。「平野レミの早わざレシピ! 2022秋」(NHK総合)。料理愛好家の平野レミが生放送で料理をする。それだけでもうワクワクとドキドキが止まらない。いつでもハイテンションの平野レミ。ここ2、3年はコロナ禍ということもあり、ゲストとの間にアクリル板、手にはビニール手袋をするなど、制約があるにもかかわらず、アクリル板をどかそうとするわ、手袋ははずすわで、その一挙手一投足から目が離せない。

  • 平野レミさん(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
    平野レミさん(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)
  • 平野レミさん(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

のびのびと自由に...

   おまけにスピード重視でがさつ。フライパンに食材を投入するのもガサーッ、こぼれて調理台の上に落ちた食材はそのまま手で掴んでポイッとフライパンに放り込む。菜箸を振り回しながら早口で調理方法を説明。皿に盛る時も見た目など気にせず。汁がこぼれたのもそのままに、手や皿で形を軽く整えて、「完成でーす!」と叫ぶ。

   おそらく初めて見た人は、「なんて不衛生な!」と怒りかねない所業も、あの底抜けに明るいキャラクターで、すべて許されてしまうから凄い。この日(11月23日、2022年)の出演はいつもの中山秀征に加え、ゲストには坂東彌十郎と横澤夏子、2人とも初出演だ。進行役も過去7回務めていた松田利仁亜アナに代わり、初出演の原大策アナが務め、初めてということもあり、レミさんへの遠慮も見られたが、そこは「きょうの料理」の進行もしているだけあって、時間内にちゃんと12品完成したから大したものだ。

   ところが、今回は正直いってこれまでで一番面白くなかった。レミさんに散々振り回されて、「人生3回目の生放送なんですけど」と泣き言を言っていた彌十郎はともかく、問題は横澤夏子だ。オリーブオイルをいつものように調味皿の底で伸ばす平野レミに驚くでもツッコミをいれるでもなく、「底でやるタイプなんですね」と冷静に言うだけの横澤。「ここ(底)、後で洗濯するからなんともない」と言う平野レミに対し、「洗濯?洗い物じゃなくて?」とツッコむが、平野レミ相手に言い間違いを正したところでキリがない。この日はかなり進行が遅れていたこともあってか、途中、スタッフの指示がちょくちょく出るらしく、それを気にする様子の横澤。馬鹿正直に車輪付きのアクリル板と共に移動し、アタフタした素振りをみせるのも余計。こちらは平野レミを見たいのだから、余計な動きで無駄をして、存在をアピールされるのも鬱陶しい。

   そういえば、今年の1月と7月の放送では助っ人として、息子の妻の和田明日香が参加していたが、今回は不参加だったのも影響があるのかも。インパクト大の姑にも一歩も引かない嫁・明日香。2人のやりとりも楽しく、ほかの出演者などいなくても、2人で料理しているだけでも充分面白いのだ。

   いずれにしても、この番組は平野レミの 魅力を味わい尽くす番組なので、その魅力を削ぐ要素は出来るだけ無くし、レミさんをのびのびと自由に泳がせるべし。

(子守熊)

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