東京五輪・パラリンピックのテスト大会を巡る談合事件は、大会組織委が関与する「官製談合」の疑いが濃厚になってきました。
先週25日(2022年11月)から28日にかけて、東京地検特捜部と公正取引委員会は、電通や博報堂、東急エージェンシーなどの大手広告会社とイベント制作会社、さらに大会組織委の元幹部宅に家宅捜索に入りました。テスト大会は、本番に向け運営が円滑にいくか確認する大会で、2018年から行われていました。
羽鳥慎一「札幌でも同じようなことが」と懸念
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「五輪談合事件で電通などに容疑(略)」(28日、日テレ系「スッキリ」)は、問題となったテスト大会業務の入札(2018年)は計26件あり、電通など9社と共同事業体ひとつが総額約5億3000万円で落札した、と報じています。うち半数以上が1社のみの参加で、特捜部などは入札前から落札企業が決まっていたとみている、とあります。
「五輪談合、組織委の関与は? 広告業界大手への捜索で羽鳥慎一が懸念する『札幌』」(29日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、組織委側が競技ごとに実績のある業者をまとめた一覧表を作成し、受注調整された可能性もあるとしています。さらに、テスト大会を請け負った業者がほぼそのまま本大会業務も請け負うという、事実上一体受注となっていたとあり、当初149億円と見積もられていた本大会運営委託費用は、最終的に計196億円と3割増の契約額となったと伝えています。
司会の羽鳥慎一さんも「2030年冬のオリンピックをめざしている札幌でも同じようなことが起きる懸念がある」とコメントしていました。
「広がる五輪談合、受注は組織委の一覧表通り(略)」(29日、日テレ系「スッキリ」)には、五輪汚職事件ですでに4度起訴されている高橋治之・組織委員会元理事に賄賂を渡したとして逮捕・起訴されたのが広告会社「ADK」の前社長らで、捜査の中でADK側が、テスト大会を巡る「談合」もあったと公取委に自己申告した、とあります。
元東京地検特捜部の若狭勝弁護士は「組織委員会もノウハウがあるわけではない」とし、電通などの代理店に頼らざるを得ない事情もあるとしながらも、今後の捜査のポイントは「組織委のどの程度の役職の人が談合に関与していたか。誰が関与していたのか」だといいます。事件は本大会の運営にも拡大する可能性があり、司会の加藤浩次さんも「ここまでくると、IOC、JOC、五輪の招致を含めて全部に広がってくるんじゃないですか」と言っていました。
私たちの税金が、五輪の闇の部分にも使われてきたのではないか。改めて、東京五輪のカネの動きを検証する必要性を感じます。
(コムギ)