W 杯予選リーグE 組第2戦は、日本がコスタリカに0-1で敗れ、スペインはドイツと1-1で引き分けた。日本が決勝トーナメントに進出するには、もはやスペインに勝つしかない状況に、ほぼ追い込まれた。28日(2022年11月)の「スッキリ」が勝利の戦略を探った。
第2戦では、コスタリカがバックス5人、その前に4人とがっちり守備を固めるなか、日本側もこうした二重の厚い壁に縦パスで切り込むような大胆な攻撃姿勢が見られず、「初めから、前半は0-0でもいい、と思っていたような」(解説者の前園真聖・元日本代表)消極姿勢が目立った。MC の加藤浩次は「ドイツ戦の成功例が森保監督の頭に残った?」「リスクを負った攻めができなかった」。
枠内シュートはコスタリカ1本
後半早々に、ドイツ戦で得点した浅野拓磨選手や三苫薫選手、伊東純也選手を次々と投入して得点チャンスの場面を作ったが、相手守備を破れなかった。「三苫選手などを、後半もっと早く出しておけばよかった」(前園)。均衡状態が続く中、後半36分、日本ゴール前のクリアミスから、ふわりと浮かせた相手シュートがキーパー権田の手をかすめて左上ネットを揺らした。コスタリカの全試合を通じてただ一本の「枠内シュート」だった。シュートは日本14本コスタリカ4本。枠内はコスタリカ1本、日本も、わずか3本だった。
これで、勝ち点はスペイン4、3が日本とコスタリカ、ドイツ1となった。スペイン戦で日本が勝てば勝ち点6で決勝トーナメント進出が決まるが、負ければグループリーグで敗退となる。「引き分け」の場合は微妙だ。勝ち点4の日本は「ドイツ・コスタリカ戦」で、コスタリカが勝てばグループリーグ敗退、引き分けなら日本が決勝へ。ドイツが勝った場合は「得失点差」の勝負となる。
MCの加藤「例えば、昨日のコスタリカ戦に引き分けたとしても、決勝リーグへの厳しい条件はあまり変わらなかった。ならば、負けた結果、もう一回スイッチを入れ直せる、ということで、プラスに捉えましょうよ。前園さん」。振られた前園は(苦笑いしながら)「そう、切り替えなければいけません。初戦と一緒でチャレンジャーの立場ですから」。
ならば、具体的に、スペイン(FIFAランキング7位)をどう攻略するか。
スペインはW杯に通算16回出場。2010年南アフリカ大会で優勝した。初戦のコスタリカ戦では7ゴールを奪った。昨年の東京五輪準決勝では日本と対戦、延長戦の末、1点を奪い、突き放した。この時も五輪代表チームの指揮を執っていたのが森保監督。今回のW杯日本代表選手もスペイン代表との接戦を経験済みだ。具体的には、若手のガビ選手(18)、ペドリ選手(20)、ブスケツ選手の「中盤トライアングル」をどう抑えるかがポイント。前園元代表は「そのためには、W杯予選で機能した遠藤航、守田英正、田中碧をセットでぶつけるのがいい」
(栄)