「世界一受けたい授業」が見応えある番組である深い理由

   土曜の夜、家族揃って見られる貴重な番組といえば、この「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)だ。2004年10月スタートというからかれこれ18年も続く人気番組で、毎年、春・秋の2回民放連が発表する「青少年に見てもらいたい番組」で、日本テレビが挙げる番組の中には必ず入っているほどの優良番組だ。

  • 家族そろって…(写真はイメージ)
    家族そろって…(写真はイメージ)
  • 家族そろって…(写真はイメージ)

各界のスペシャリストから...

   選定理由は「各界のスペシャリストから『使える学問』『生きるヒント』を学ぶ、アカデミック・バラエティー」ということだ。フォーマットがきちんとしているので、毎回、話題性のあるスペシャリストを講師として呼べば成立するから、言い方は悪いが、作り手にとっても比較的楽な番組といえるだろう。

   この日(11月19日、2022年)は「最強エンタメ2時間スペシャル」として、「世界が絶賛!日本アニメ海外ヒット年表」「京都大学野生動物研究センターのスペシャリスト集団に学ぶ」「林真理子先生が選ぶ今だからこそ読みたい!ベストエッセー!」「馬場康夫先生が選ぶ超人気シリーズ ひとつだけ見るならこの1本」などが紹介された。

   どれも見応えがあるものだったが、なかでも、今年、女性初の日本大学理事長に就任した林真理子先生による「読むべきエッセー6選」には興味津々。自分以外は認めなさそう(あくまでも個人のイメージ)な林先生が何を勧めるのか気になったので。

   紹介されたのは、星野源「いのちの車窓から」、辻仁成「父ちゃんの料理教室」、佐藤愛子「九十歳。何がめでたい」、桐島洋子(ら)「ペガサスの記憶」、北杜夫「どくとるマンボウ航海記」、矢沢永吉「成りあがり」、そしてご自分の「野心のすすめ」。自分より若い女性のエッセーがひとつもなかったところが、いかにも林先生らしくていい。

   そんななか、生徒のひとり黒木瞳が自分の詩集「夢の水たまり」をちゃっかり紹介。もちろん、それが目的で出演し、台本にもあったのだろうけれども、ピリっとした空気が画面から伝わってきたような気がした(気のせいだろうか......)。

   人間関係の妙も学べる「世界一受けたい授業」。毎週土曜のお楽しみだ。

(くろうさぎ)

姉妹サイト