私は「APJ(アートパワーズジャパン)」というARTを専門に扱う社団法人の理事を務めています。
この11月2日から7日まで、「APJ」が主催して、松屋銀座で「ACTIVATE KOGEI+ART GINZA2022」という展覧会を開催しました。
同展は、工芸という日本の伝統と、現代アートの融合を意図したものです。
NFTとメタバースで工芸の新たな視点を追求
会場には、京都を中心とした工芸作品と、茶の湯、現代アートがコラボした様々な作品が展示されました。そのほか、NFTとメタバース(仮想空間)による、工芸の新たな視点を追求するコーナーが注目を集めていました。
NFTというのは、以前このコラムでも取り上げましたが、一言でいうと「偽造不可能な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことです。もう少し付け加えると、「デジタル映像で、静止画・3D映像を中心とした動画・音」を指します。
メタバースというのは、インターネット上に構成された「3次元仮想空間」です。メタバースの展覧会場で、アバター(仮想空間で動けるユーザーの分身となるキャラクター)が、今回展示されているいろいろな作品を見て回るという内容です。
その影響で、IT系企業の社長が人間国宝の作品を購入されたほか、コンサルティング会社の社長が彫金の卓越した技巧の、有名な先生の作品を購入しました。購入金額は300万円以上です。付け加えれば、この金額でも、海外と比較しますと、かなりリーズナブルなお買い物になっていると思います。
工芸美術と現代アートのコラボがとても面白く、意義深い展覧会となりました。