<今週のワイドショー> 97歳暴走事故が浮き彫りにした「今の日本」とは

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   「人生100年時代」と言われるようになったのは、2016年ごろからのようです。経済学者の著作『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略』がこの年に発表され、話題となりました。100歳が一般化する時代を前提に、新しい人生設計が必要だと説いていました。

   しかし、さすがに97歳が運転する車が暴走し、人をはねて死なす事故のニュースは衝撃的でした。人の生き方だけなく、社会制度の抜本改革の必要性を痛感します。

  • 自動車と運転をめぐる社会制度の変革も求められている
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車ないと不便な「地方の状況」とライドシェアの検討

   事故は、福島県で19日(2022年11月)夕に起きました。車は歩道を数十メートル突っ走り、歩道の女性(42)をはねて死亡させたほか、車3台に衝突し、本人を含め5人がけがをする惨事となりました。運転していた97歳男性は、過失運転致死の疑いで逮捕されました。

   (J-CAST)ワイドショー通信簿の「97歳運転の車が暴走、1人死亡 加藤浩次が訴えた防止策の中身」(21日、日テレ系「スッキリ」)では、元県警交通捜査官が事故の状況から「ブレーキとアクセルの踏み間違いの可能性が高い」と推測。MCの加藤浩次さんは「踏み間違えた時に、発車しないというシステムがある」とし、「家族がつけてあげてもいい。ついている車に乗ってください」と強く訴えていました。

   「97歳運転で死亡事故 橋下徹『年齢制限設け、ライドシェア導入を』」(21日、フジテレビ系「めざまし8」)では、車がないと不便だという地方の現状を取り上げています。バスが来るのは1時間に1、2本程度。周辺の人たちも「きっと不便だから乗っちゃうんでしょう」「年寄りだとバスの乗り降りも不便」と口をそろえたようです。

   弁護士の橋下徹さんは「やっぱり、年齢制限は加えるべきだと思う」としつつ、「(地方の公共交通は)タクシー免許がなくてもタクシー業ができるような『ライドシェア』を導入するべき」と提案していました。

   「97歳運転死傷事故と再発防止 羽鳥慎一『免許のシステム、社会のシステム、両方必要』」(22日、テレビ朝日系「モーニングショー」)によると、97歳容疑者は、短歌の選者を務める有名な歌人として知られ、福島県文化功労賞なども受賞していたとあり、事故4日前には新たな歌集も発売したばかりだといいます。容疑者の家族は運転を控えさせるためタクシー会社に相談をしていたとありました。

   今年5月から、75歳以上の違反歴のあるドライバーの免許更新に、運転技能検査が導入されました。制度は徐々に変わりつつありますが、記事中、弁護士の菊間千乃さんの「車は一瞬の判断ミスで人を殺してしまう機械」という言葉にハッとさせられます。

   社会全体が「100年時代」に対応していくには、まだまだ時間がかかりそうです。

(コムギ)

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