新型コロナ第8波に加え、インフルエンザ流行のきざしも見えるなか、都内クリニックでは薬が処方できない患者や診察できない患者も出てきているという。現場でいったい何が起きているのか。今日22日(2022年11月)の「モーニングショー」では、新型コロナとインフルエンザ流行に対応する医療機関の実態を詳しく報じた。
新型コロナ第8波の特徴は、オミクロン対応ワクチンを打っている場合はのどの痛みだけなど軽症だが、3回までの人はインフルエンザに似た症状が出るという。インフルエンザとの同時流行も懸念されていて、医療現場からは検査体制と薬不足という2つの不安が。
厚労省の説明では...
自主検査が可能なコロナと違い、インフルエンザは医療機関での検査が求められている。医療機関の負担が大きく、現場からは「自主検査も認める段階だと思う」という声が出ている。地方自治体からも、大阪府の吉村知事が「インフルの検査キットも薬局やインターネットで買えるようにするべき」と発言するなど自主検査を求める声が出ている。
しかし、厚労省は「インフルとコロナの同時検査キットを3500万回分確保している。医療機関でしか使えないが足りると考えている。自主検査キットは開発などを考えると間に合わない。インフルはコロナと違って発症後すこしたってからウイルス排出するため判定が難しい」と消極的だ。
松本哲哉(国際医療福祉大学教授)「一般流通できるようにするとキットが足りなくなるというのが一番の理由じゃないかと思う。生産体制を整えて、どこかのタイミングで流通できるようにしていただければ」
鹿野晃(ふじみの救急病院院長)「コロナの自主検査が認められているのであれば、インフルも認めてもいいんじゃないか」
菊間千乃(弁護士)「これからの同時流行を考えた時、医療現場逼迫をどうするかという問題だと思う。コロナの自主検査で陰性だったらインフルエンザの検査で病院に行くとなると意味がなくなる。普通に考えると両方家でやれるといい」
小川仁志(哲学者・山口大学教授)「厚労省のいっていることが全くわからない」 鹿野晃院長「(検査キットを)3500万回分確保しているというが医療機関に回ってこない」
もう一つの問題が深刻な薬不足。「本来あるべき薬が一粒も入ってこないことは、25年医師をしてきて経験がなかった。薬の日数や種類を減らしている」(いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長)
松本哲哉教授「処方したあとで『ない』と言われることもあり大変。在庫を確認しながらやっているのが現状」
薬不足の原因は、オンライン診療で薬をもらう患者が増えたことや、2021年の製薬会社行政処分で出荷停止や自主回収が続いたことなどが考えられるという。
菊間千乃「ジェネリックの最大手が処分を受けたが、生産体制が追いつかず手順書と異なる方法で製造したことが原因。ようやく立て直しに入ったが、作る側も大変で不正があった。入ってこないのも当然で行政処分の影響が大きいと思う」
小川仁志「先進国日本の話ですよね。薬が足りないというのが信じられない。大事なのはパニックにならないこと」
(みっちゃん)