NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」11月20日(2022年)放送回。後鳥羽上皇(尾上松也)の計らいにより、右大臣に叙されることとなった源実朝(柿澤勇人)。政子(小池栄子)が愛息の栄達を喜ぶ中、鎌倉殿への野心に燃える公暁(寛一郎)。鶴岡八幡宮で執り行われる拝賀式の準備のなか、三浦義村(山本耕史)の動きに胸騒ぎを覚える泰時(坂口健太郎)に対し、義時(小栗旬)も不穏な動きに気づく。(ネタバレあり)
「真実」を知った実朝
公暁の実朝暗殺を察知した鎌倉ラブの北条義時(小栗旬)、朝廷になびく実朝を消すことで、源氏の血縁断絶を企んだ。わざと公暁を止めずにいる悪魔的な態度はまさに修羅の道である。もう小栗旬の顔が鬼瓦。
頼家の死の真実を知った実朝が公暁を訪れて、号泣しながら京から親王を迎えたことを謝る。そして公暁と手を取り合い、鎌倉を源氏の手に取り戻す事を語る場面に仰天した。ドラマの中とはいえ、メラメラと実朝暗殺に燃える公暁にこの提案は、火にガソリンを注ぐようなもの。
父は殺され、自分は不本意に修行に出され、母は日陰で暮らすはめになったという事実に対し、実朝が鼻みず垂らしながら、どんな慰めの言葉を紡いでも、それは公暁には通じないと思う。鎌倉殿で恵まれた実朝に、俺の苦しみが分かるはずがないという言葉に頷いてしまった。実朝はピュア過ぎて自身で地雷を踏んだことにも気づいてないだろな。なんて哀れな実朝。
「だまされるものか」と睨む公暁の目には怨念の炎がさらにメラメラを燃え上がった。この目が父親そっくりだった。この場面では視聴者も「実朝 理想主義者のボンボンやん。公暁の気持ち分かるわけないよ」「実朝くん、そんなまっすぐな気持ちが公暁なんかに通じるわけないじゃん...」「実朝くん、悪いコじゃないんだけど、甘過ぎるというか、鈍過ぎるというか、とにかくダメだ」「実朝がいい子すぎて悲しい」などの声が集まり反響があった。
承久の乱に向かってまっしぐらの鎌倉。公暁は大銀杏の影にいるのかどうか、運命の雪の日がどのように描かれるのか見逃せない。
(Y・U)