私は、アメリカの女優ミシェル・ファイファーが昔から好きで、1989年のアメリカ映画「恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」でボー・ブリッジス、ジェフ・ブリッジス兄弟と共演したときからのファンです。
「ディープエンド・オブ・オーシャン」は1999年に公開されたアメリカ映画で、主演はミシェル・ファイファーで、監督はウール・グロスバード(ベルギー、アメリカの映画監督、故人)です。私はこの作品を、最近Netflixで見ました。
写真家のベス・カッパドーラ(ミシェル・ファイファー)は2男1女の母親で、幸せな家庭生活を送っていました。(この原稿はネタバレを含みます)
兄弟の絆に感涙、家族再生の物語
ある日、ベス(ミシェル・ファイファー)は、高校の同窓会に子供達3人を連れて行くのですが、7歳の長男ヴィンセントに手をつないで待っているように言っておいた、3歳の次男ベンが、ベスが目を離した隙に行方不明になってしまいます。担当のブリス刑事(ウーピー・ゴールドバーグ)らの懸命な捜査にも関わらず、ベンが見つからないまま、9年の月日が流れました。
そして、ようやくベンは発見され、家に戻って来ます。実は、高校の同窓会に来ていたベス(ミシェル・ファイファー)の同級生の女性に誘拐されたのでした。しかし、9年の歳月が家族の上にのしかかり、いろいろ上手く行かなくて、ベンは元の家に戻ります。
ある夜、長男ヴィンセントが部屋で寝ていると、外でバスケットボールをする音がするので、窓を開けて見ると、次男ベンが家に帰って来たことに気づきました。ベンは、元の家の家族と話し、ベス(ミシェル・ファイファー)の家族と一緒に暮らすことに決めたのでした。ヴィンセントも、ベンと一緒にプレーしました。その姿を室内から見たベスと夫のパットは、事情を察知して、彼らに声をかけずに見守ります。
次男のベンが良いのです。
彼は、幼い頃、家でかくれんぼをしていて、なかなか見つけてもらえずにいたとき、長男ヴィンセントが、チェストに隠れているのに気づき、ふたを開けると、ベンは笑って「お兄ちゃんが来るのを信じていた」と言うような子どもでした。
バスケットボールを終えたヴィンセントは、9年前を振り返り、「ごめん。自分が手を離して、行っちまえ、と言ったんだ」と謝ると、ベンは「誰でも、そんなこと言うよ」と答えました。9年間の大変な苦労の末に、家族愛を再認識した一家の喜びが、とてもよく伝わってきます。
この映画は、母親役のミシェル・ファイファーも好演していますが、長男ヴィンセントと次男ベンが表現する感動的な兄弟の絆が心に残りました。
映画の持つ面白さ・感動といったものが、十分に伝わってきます。