記憶も記録もない大臣に続き、岸田文雄内閣でまたまたあきれた大臣が登場した。死刑執行の命じる権限を持つ法務大臣の葉梨康弘氏だ。自民党の会合で、法務大臣は死刑のハンコを押したときしかニュースのトップにならない、という趣旨の発言をし、波紋が広がっている。きょう11日(2022年11月)の「スッキリ」が詳しく報じた。
小澤征悦「謝罪して撤回すれば何を言ってもいいのか」
葉梨氏はおととい9日、同じ派閥の議員の会合の挨拶で「大体法務大臣というのは、朝、死刑のハンコを押しまして、それで昼のニュースのトップになるのはそういう時だけ、という地味な役職」「法務大臣になってもお金は集まらない。なかなか票も入らない」と発言。さらに、旧統一教会の問題について「今回はなぜか旧統一教会の問題に抱きつかれてしまった」「(旧統一教会への対応をめぐって)私の顔もいくらかテレビに出るようになった」などと発言し、これが新聞やテレビで報道された。
葉梨氏は10日、松野博一官房長官に呼びつけられ、「軽率な言動がないように」と厳しく注意を受けた。参院法務委員会では、発言について「撤回させていただきます」と頭を下げたが、野党からは「死刑執行のサインを、テレビに出る目的でやっているのか」と厳しく突っ込まれていた。
記者団には「マスコミの取り上げ方のファクトを申し上げた」と苦しい言い訳。「法務省の職務を軽んじるような印象を与えたとすれば率直におわび申し上げる」などと述べた。
葉梨氏は岸田派。岸田首相は葉梨氏を続投させる意向だという。
VTRを厳しい表情で見ていた橋本五郎(読売新聞特別編集委員)は、「言語道断。死刑のハンコというのは、押すことによって(死刑囚を)死に至らしめる大変重いこと。それをニュースのトップになるとか、そういう発想自体が間違いですよ。岸田さんは決断が遅い。これは文句なく罷免ですよ。(続投させるなら)自分の派閥だから身内に甘いということになってしまいます」とまくしたてた。
小澤征悦(俳優)が「気になったのは、謝罪して撤回すれば何を言ってもいいのか、ということ。子どもがこれを見ていて、悪いことを言っても謝罪して撤回すれば許されると思ってしまうのではないか」とコメントしたのを受けて、橋本はさらに「私に言わせれば、撤回するかしないか、聞く方も聞く方。撤回しようがしまいが、あれは残るんだから。新聞の見出しにも『撤回』と出ているが、撤回するかどうかなんて、何の言い訳にもなりませんよ」となおも怒りが収まらない様子だった。
テレビや新聞でこうやって大きくとりあげてもらい、葉梨氏はさぞ本望だろう。
(キャンディ)