法務大臣が「死刑のハンコを押したときだけニュースになる」という趣旨の発言をした。「謝罪しましたが、一時は一部を切り取られたと主張していました」と、11日(2022年11月)のめざまし8は永島優美アナウンサーがその「ハンコだけ大臣」葉梨康弘氏の言動を取り上げた。
谷原章介「人の命をネタとして使っている」
問題の発言は、自民党岸田派の会合で。「切り取り」を少なくするために多め、かつ正確に再録すると「まあだいたい法務大臣というのは朝、死刑のハンコを押しまして。それで昼のニュースのトップになるというのはそういう時だけという地味な役職なんですが」と言ってのけた。ここが葉梨氏によると「切り取り」され、「テレビに出る目的で死刑執行のサインをしているのか」と批判されている。
葉梨大臣はこの問題発言の後に外務副大臣を励ますスピーチの中だったせいか、外務省と法務省の仕事について「票とお金に縁がない。外務副大臣になっても、ぜんぜんお金はもうからない。法務大臣になってもお金は集まらない。票もとれない」とまで話した。
先月にも、葉梨氏は都内の自民党会合で法務大臣の仕事について「テレビに出るのは死刑のハンコを押した昼のNHKニュースくらい」と言い放った。
司会の谷原章介「人の命をネタとして使っている。認識も意識もずれている」
地元選挙区の衆議院茨城3区からは「考えが軽い」「とんでもないと思った」「あんなしゃべり方は聞いたことがない。(地元では)ものすごい低姿勢だったんだ、今までは」という取手市民の声が噴出した。
野党も辞任を求めるが、岸田首相からは「説明責任を」と、いつものセリフが出るばかり。事務所経理の不備や不審点を指摘される総務大臣の場合もそうで、まさに判で押したような対応だ。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏は「これでしのぐことがプラスかマイナスか、わからない。世論調査には『辞めるべき』が高い確率で出るだろう」という。
皮肉なことに、葉梨大臣はとんでも発言以来テレビによく登場する。記者から「各局でトップニュースですが?」と感想を求められるが、「見ていないのでコメントできない」そうだ。
(あっちゃん)