Jアラートめぐる混乱、大丈夫? 菊間千乃弁護士「(遅れ・誤りでは)国民の危機意識が高まらない」

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   11月3日(2022年)朝7時40分頃、北朝鮮からミサイルが発射された。これに対し宮城県・山形県・新潟県を対象として7時50分にJアラートが発出されたが、遅れや誤情報などが相次ぐ混乱ぶりとなった。Jアラートの発出はどうあるべきか。今日8日の「モーニングショー」ではスタジオに専門家を招いて話を聞いた。

   まず発出の遅れ。8時に発出されたJアラートでは「午前7時48分ごろに太平洋へ通過」という情報が流れたが、最初に発出された7時50分でもすでに通過後というタイミング。さらに通過という情報そのものが誤情報で、8時57分に浜田防衛大臣が「ミサイルは日本列島を越えず消失した」と誤りを訂正することになった。

  • 北朝鮮のミサイル発射が相次いでいる
    北朝鮮のミサイル発射が相次いでいる
  • 北朝鮮のミサイル発射が相次いでいる

「訓練みたいなことをやったほうがいい」とも

   市民からは「通過した後アラート出たじゃないですか」「正確に流してほしいというのがある」などの他、「避難しても仕方がないし、避難の仕方がわからない」という声も聞かれた。2017年にJアラートが発出された際の住民アンケートでは、8割が避難しなかったというが、Jアラートは本当に必要なのか。

   日本大学の福田充教授は「専守防衛の日本にとって市民の命を守る重要なシステム」と語る一方、前統合幕僚長の河野克俊さんは「必要だが、手順や訓練、避難場所の設置がないと意味がない」という。

   菊間千乃(弁護士)「どれくらい危険な状況なのかきちんと説明されていない。大雨、台風では気象庁の方が事前に説明する。国側の説明が足りない」

   小川仁志(哲学者・山口大学教授)「JアラートがJアラームになっている。危機を感じて受け止めているという感じになっていない」

   河野克俊さん「(3日のミサイルは)映像が消えて出すか出さないか議論して時間を食った。上空通過の前に出せるのが最低条件。危機管理は見逃し三振ではなく空振り三振に行かなければいけない。消えたとしてもどこに飛んでいるか把握していないなら出すべき」

   福田充教授「間に合わなかったら意味がない。正確性より迅速性が大事で、間違った情報を出すことを恐れてはいけない。軌道を見失った時の対応が練られていなかった。改善が必要」

   菊間千乃「遅れてしまいました。誤りでしたという対応をしていると、Jアラートに対して国民の危機意識が高まらない」

   発出までの時間はもっと短くできないのか。

   河野克俊さん「縮めようとすると、解析が終わらない段階で警報を出して訂正していく」

   福田充教授「2017年の発出では広すぎると批判があった。2019年に細かく絞るよう改修したが、正確性を重視したことで遅れにつながっている」

   菊間千乃「そう聞いても国民はゆずれない。正確性がないと避難行動にはつながらない」

   河野克俊さん「できれば定期的に訓練が必要」

   小川仁志「北朝鮮から近いところにいて呑気にしているのはおかしい。世界から見ると私たちの感覚がおかしい」

   発出時の行動については、屋外にいる場合は建物や地下に避難し、建物がない場合は物陰に身を伏せる。自宅で身を隠す場合はトイレやバスタブが良いという。

   福田充教授「5分かけて地下を探しても仕方がない、30秒で取れる行動は何か」

   菊間千乃「トイレ・バスタブは知りませんでした。訓練みたいなことをやったほうがいい。日本はそういう状況にあると感じました」

   小川仁志「危機を回避するには想像力が必要。みんなが週に1冊本を読んでSF映画などを見れば想像力が高まる。社会教育に加えたほうがいい」

(みっちゃん)

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