ツイッター社で混乱が続いている。10月27日(2022年)に同社を買収したイーロン・マスク氏は「1日400万ドル以上の損失を出している以上、選択の余地はない」として従業員7500人のうち半数の解雇に踏み切った。解雇された従業員たちからは「今朝起きたら解雇の知らせが来ていました」「メールにログインできない。Macの電源も入らない」など悲鳴があがっているが、今後の動きはどうなるのか。今日11月8日の「モーニングショー」ではツイッターの動向について詳しく報じた。
解雇の流れは世界に及んでいる。イギリス支社の責任者だったサイモン・バルメインさんも解雇され、「なかなか受け入れられず苦しんでいます。まったく話がなかったから、水面下で話が進んでいたんですね。誰もが混乱しています」と語る。日本も例外ではなく、日本法人の広報部門全員が解雇対象だったという報道も流れている。
新機能についても懸念の声
ツイッターの新機能についても懸念の声が。有名人や企業などのうち、ツイッター社が本物と認めた者に限られていた青色の認証バッジが、月額8ドルの有料プランとなる。もし料金を払えば誰もが認証バッジを取ることができるなら、なりすましが増えるのではないかという声も出ている。こうした動きに対し松野官房長官は「国民の皆様に向けわかりやすい情報発信を目指す上で、ツイッターは有効なSNSの一つであると認識。今後の動向を注視していきたい」としている。
国連でも、人権高等弁務官が人権担当チームや倫理的人工知能研究チームが解雇されていることを指摘。ツイッターの運営で人権が中心に据えられるよう要請している。バイデン大統領も「アメリカに編集者の機能がなくなった」と誤情報が広がる不安を表明。米市民団体は大手企業に対して広告の出稿停止を求め、フォルクスワーゲン、ゼネラル・モーターズ、ファイザーなどが一時出稿を停止する騒ぎも起きている。
こうした動きにイーロン・マスク氏は「活動家グループが圧力をかけたため収益が大幅に減少した。彼らは言論の自由を破壊しようとしている。投稿内容の監視・管理体制は何も変えていない」と反論している。
菊間千乃(弁護士)「一営利企業の問題が国連や米大統領の問題になるということは、ツイッターが世界のインフラになっていることのあらわれ。企業の社会的責任が問われてくるが、認証マークはおそらく誰でもお金を払えばということにはならないと思う。1日400万ドルの損失が出ていて、CEOとしては体質を変えなければいけないが、集団訴訟も起きているなど、このまま(従業員が)辞めますということにはならないような気がする。苦渋の決断ということで退職金を通常の3倍というが、納得するかは個人個人」
司会の羽鳥慎一「普通の企業が経営が厳しいから何人かクビにしますよというのとはちょっと違う」
小川仁志(哲学者・山口大学教授)「メディアの公共性とは何かをそもそも遡って考えないといけない。米哲学者のアーレントは『公共性の本質は複数性』といっている。ツイッターの場合は従業員も含めて複数性を考えないといけない。半数が急に解雇されて本当にメディアの公共性が保っていけるのか不安になる。イーロン・マスクがやっていることは何かのメッセージと受け止めざるを得ない」
(みっちゃん)