ソウルの転倒圧死事故 羽鳥慎一「倒れてと思ったら、立ったまま窒息」

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   ハロウィーンを控えた10月29日(2022年)に韓国ソウルの梨泰院(イテウォン)で発生した群衆事故について、徐々に詳しい状況が明らかになってきた。今日11月1日の「モーニングショー」では、専門家をスタジオに招いて詳しい話を聞いた。

   韓国の朝鮮日報によると多くの人が立ったまま圧死したという。事故発生時、女性が立ったまま四方八方から押され、圧力のため悲鳴を上げたが、まもなく力が入らなくなったようにぐったりしていたという。圧力で呼吸ができなくなる圧着性窒息死と指摘されている。大阪工業大学の吉村英祐教授によると、270キロ以上の圧力がかかると胸部に呼吸する空間がなくなるために約10秒で呼吸困難になるという。

  • 多くの犠牲者が出て悲しみが広がっている(写真はイメージ)
    多くの犠牲者が出て悲しみが広がっている(写真はイメージ)
  • 多くの犠牲者が出て悲しみが広がっている(写真はイメージ)

西成活裕氏「警備は一桁少ない」

   1平方メートルに14人が入ると270キロの圧力となるが、吉村教授が学生と行った実験では、12人で身動きができず、13人で息苦しさ、14人入ると3割の学生が呼吸困難になった。

   梨泰院の事故ではこうした圧着性窒息死のほか、下敷きになった状態での心臓など臓器の破損、さらに首の骨折で亡くなった可能性もあるという。

   司会の羽鳥慎一「倒れてと思ったら、立ったまま窒息」

   西成活裕(東京大学教授)「大人4人―5人分の力が四方八方からかかる。女性、子供だと耐えられない重さ」

   菊間千乃(弁護士)「満員電車が1平方メートルに8人くらい。私も満員電車で足が浮く状態になったことが何回かある。どなたかが動いて隙間ができると浮いているので倒れる。満員電車は誰かにぶつかって助けられるが、こういう状態の時には人が重なっていく」

   田坂広志(元内閣官房参与)「お祭りのような場面の出来事で起こっていることは異常な状態。気がついた時にはどうしようもない状態で圧死。警察は何をしていたのか」

   警備体制はどうなっていたのか。去年は8万人の人出に対して警備が85人。今年は13万人に対して137人と増えているが、137人中雑踏警備はわずか32人で、それ以外は窃盗や麻薬取り締まりの捜査員。この日、韓国当局は大統領府のデモに多くの人が参加すると予想し、4000人体制で警備に当たったが、デモ参加者は7万人だった。

   西成活裕さん「警備は一桁少ない。計算してみたが300人から400人が必要。10万人が集まって完全にフリーで動くというのは考えられない。ボトルネック、出口入口には必ず警備を配置し、声掛けも必要。日本だとそういう対策をかなりやっている」

   先月中旬、同じ梨泰院で龍山区主催のイベントが行われたが、この時は狭い道の一方通行化やフェンスの設置など有効な対策が行われ、事故は起きなかった。主催者がいる場合は安全性の審議を受ける必要があるが、ハロウィーンには主催者がおらず、審議の必要がなかった。

   西成活裕さん「日本の(ハロウィーンの)場合、主催者はいないが、自治体が責任を持ち、鉄道・警察・地域関係者と密接に連絡をとりながらやっている。車との交差も考えないといけない。人流によっては(車を止めて)スクランブル交差点を封鎖する必要があるが、交通規制ができるのは警察しかない。主催者がいない中での決行が裏目に出た」

   田坂広志「基本的原則を守っていて想像を超えたことが起きたのか、それとも基本的原則を無視していたのか。今回はほとんどノーガードでやっているので残念ながら原則そのものが守られていなかった。日本も警備体制を深く学ぶいい機会だと思う」

(みっちゃん)

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