韓国ソウル市の繁華街・梨泰院(イテウォン)で155人が亡くなった転倒・圧死事故は、現地では警備体制に問題があったとして原因究明が進んでいる。1日(2022年11月)のスッキリが現地から伝えた。
「男女問わず、押せ押せ、との声が聞こえてきた」。事故当時、現場近くにいた韓国人男性が証言する。韓国の警察庁担当者は10月31日午前、「多重密集については、警察は現場の統制よりも、犯罪予防、違法の取り締まりに人員を動員して配置してきました」と明かした。
「人が集中して危険と...」
事故を防げなかった背景が、だんだんに明らかになってきた。
亡くなった北海道根室市出身の冨川芽生さん(26)は今年5月、ライブ配信で「メイです。アクセサリーデザイナーやってます」と話していた。翌6月に韓国に語学留学した。31日、冨川さんの父親は、本人確認のため韓国へ向かう中標津空港で、「最終的に指紋が一致しました、と」。父親のスマホには、事故前日の芽生さんとのやりとりがあった。「伝統のたべものたくさんあった!もちの博物館でもち作った~」「インサドンっていう地域で食べたビビンバ、おいしかったよ!!今日は同じクラスのフランス人に会う」。もう一人は、留学生の小槌杏さん(10代)。昨日夕方、家族とみられる人たちが病院の葬儀場を訪れた。日本で待つ祖父は「かわいい子だったので、胸が張り裂けそうな感じですよ」。
死者の155人はほとんどが20代の若者で、うち26人が外国人だった。韓国の俳優、イ・ジハンさん(24)も亡くなった。梨泰院になぜ約10万人もが集まったのか。毎週のように梨泰院に遊びに行っていた韓国人は「ハロウィン・イベントが最も大きいんです。今年はコロナがほぼ終わってきたので、いつもより多く集まったそうです」。「店に入れなかったので外でビールを買って飲んだ。事故が起きた路地にいたんですが、危険を感じて移動したのが、ちょうどその(事故の)時間でした」。目撃証言によると、事故の直前に「押せ」と叫んだ声が上がり、「男性5、6人が意図的に押した」。オンラインコミュニティによると、「一人の男性が、みんなで押そう、といって、友人と、押せ、と叫び、人々が相次いで倒れた」との書き込みもあるという。警察が、調べているという。
韓国の警察庁によると、今回の梨泰院に配備された警官は137人だが、窃盗や麻薬取り締まりへの対応に集中、人の誘導はしなかった。
MCの加藤浩次「事故の2時間前に、人が集中して危険と通報があったというじゃないですか」。尹錫悦(ユ・ソンニョル)大統領は「雑踏事故を防ぐ仕組みを用意する必要がある」と話したという。
(栄)