悪質運転をする自転車が増えていることを受け、警視庁は昨日10月31日(2022年)から都内で取り締まりを強化した。「信号無視」「一時不停止」「右側通行」「徐行せず歩道を通行」の4つの悪質違反に対し、刑事処分の対象となる「赤切符」を積極的に交付する。厳罰化の背景には、自転車が関係する交通事故が43.6%と自転車事故の増加がある。自転車悪質運転の現状はどうなのか、11月1日の「モーニングショー」は都内各地を取材し、違反状況をリポートした。
東京・池袋で一時停止標識を守らず、歩行者妨害をしたとして赤切符を交付された男性。取り締まりの警察官に対し「夕方だから早く帰ろうということしか頭になかった。今のは違反していると言われるとそれまで」と話す。番組スタッフが話を聞くと「自転車で捕まったなんてないよ。車だって無事故無違反だから」と語る。
「赤切符を切られると...」
新宿区の新大久保駅前で取材すると、信号無視などの危険運転をする自転車が次々と。信号無視だけではなく、道路の真ん中を走行したり、車道右側を逆走したりする自転車もみられる。1時間の取材で信号無視した自転車は50台確認された。
赤信号を無視した人に話を聞くと「赤信号としらなかった。見てなかった。急いでいる」と悪びれる様子もないが、実際に赤切符を切られると、簡易裁判所に出頭後警察の取り調べ、書類送検となり、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性もある。
交通事故に詳しい高山俊吉弁護士によると「コロナ禍で自転車通勤・通学やデリバリーサービスが増加した。自転車は免許制度がないのでルールを学ぶ場がないことも問題。赤切符を切られると前科がつく可能性があるという認識を持つことが必要」という。
田坂広志(元内閣官房参与)「都内を運転していて2度危ない瞬間があった。こちらが急ブレーキをかけたので助かったが、この方たちを守るためにも(悪質運転に対する)厳罰化が必要」
司会の羽鳥慎一「間をすり抜けてきたりしますからね」
菊間千乃(弁護士)「自転車は教習所みたいものがない。歩行者と同じ感覚でマナーの問題と思っている人が多いが、自転車は軽車両で車と同じように考えなければいけない」
田坂広志「海外を見ると自転車を優遇した道路整備も行われているが、その手前でやるべきなのは文化。法律というのはひとつの文化を作る。例えば煽り運転では、ここ数年でパッシングはしてはいけないという文化が浸透した。(自転車悪質運転に対する)厳罰化は、道路交通法を学んでいない自転車の人たちに対する文化を作る第一歩だと思う」
(みっちゃん)