物価高の中で賃上げはどうなったのか。「日本経済がかかえる危機とは?」と、28日(2022年10月)のめざまし8で倉田大誠アナウンサーが岸田政権発足1年の賃上げ状況を「わかるまで解説」コーナーで。
先進国で一番低い数値
岸田文雄首相は1年前「賃上げ最優先」「賃上げに積極的な企業への支援」をかかげて就任した。いま街で実感を聞くと「実際に給料が上がったというのはない」(40代会社員男性)、「変わっていない。物価が上がり、最悪」(20代の女性美容師)といった声があがった。
2001年からの賃金伸び率が韓国は40%、アメリカは29%、その下にイギリスやドイツがつづき、日本は先進国で一番低い3%という数字を倉田アナウンサーがボードで示した。東京商工リサーチの2022年度アンケート調査では、なんらかベースアップを実施した日本企業は40%にとどまった。
実業家でアナリストのデービッド・アトキンソン氏は「諸外国は毎年ベースアップしてきた。売り上げを増やすことで賃上げできるが、現状維持ではむずかしい」という。
カズレーザー(タレント)「日本の大企業は内部留保に走りがち。雇用流動性も低い」
アトキンソン氏は「私も働いた欧米では売り上げが上がった分は賃上げするもんだという考え方で、内部留保を不適切にはしたことはありませんでした」「付加価値をふやし、売り上げを上げる経営戦略が海外にはある。企業が成長して付加価値を上げ、労働生産性をふやす分だけ賃金が上がっていく。日本は経営戦略を固定したままで、人口も増えないので売り上げも増えない。イノベーションのない日本で(賃金が)上がるわけがない」と指摘した。
司会の谷原章介「そもそも企業の姿勢がちがうし、働く人とのパワーバランスからすると、日本は労働者のパワーが弱いのか。いま怖くて辞められない、安いお給料でがまんする人が多いのかもしれない」
倉田「日本ならではの構造かもしれません」
ワイドショーの限られた時間では論じきれない大問題。岸田政権への評価とともに厳しく、さまざまな角度からきちんと議論する必要がありそうだ。
(あっちゃん)