ドラマ「拾われた男」(NHK総合)第3話が10月25日(2022年)に放送され、本人役で登場した俳優の井川遥さんに、ツイッターなどで「好感が上がった」との声が相次いだ。(ネタバレあり)
NHKのBSプレミアムで今夏放送されたドラマの地上放送。松尾諭さんによるエッセーのドラマ化で、この回は松尾さんが下積み時代に井川さんの運転手を務めていたという実話が元になったエピソードだ。ドラマ冒頭で、編集者の芥川マリ(夏帆さん)に井川さんが「話、10分の1ぐらいで読んでくださいね。(真実は)私の運転手さんしてたことぐらいですから」と告げるシーンがあった。
「私、どんだけ我慢すりゃいいんだよ」
作品内の井川遥は、「癒やし系の女王」と呼ばれる超売れっ子だが、素顔は諭(仲野太賀さん)いわく「白熱系」で、ドラマや映画の現場でまで癒やしを求められることにうんざりしていた。そんな遥のストレス解消はプロレス観戦で、会場でパイプ椅子を持ち上げて応援するほどの熱の入りようだ。
ある撮影で、監督(篠原篤さん)から「ちょっと、首45度に傾けてみましょうか」「その方が意外と、癒やしてる感じが」と注文される。違和感を覚えた遥が「あの...私は誰を癒やしてるんでしょうか」と聞くも、監督に「僕です!僕が癒やされてます」と半笑いで返され、遥はカメラが回ってから
「私、どんだけ我慢すりゃいいんだよ。おめえの家政婦じゃねえんだよ!うんざりなんだよ!てめえのことぐらいてめえでやれよ!お前何歳だよ!2歳児か!?」
とドスの利いた声でアドリブを披露した。
唖然とするスタッフたちに、遥は「フフフ。これくらい、怒ったお芝居した方が面白いかなと思って。フフフ」と笑った。
諭のバイト仲間とプロレスで大盛り上がり
遥は帰りの車で、諭に「もう最高!スタッフの顔...もうみんなさ、目が点になっちゃって」「素直に思ったことやっただけなのにねぇ」と笑った後、「誰も興味ないんだよね、本当の私のことなんか。もう辞めちゃおっかな。私の代わりなんていくらでもいるしさ。首傾げるだけなんてさ」とこぼす。
諭と遥が「ハルコさん(遥)の代わりはいません」「います」「いません」「います」「いるって」「いません!」「いる!」と言い合いになった後、諭はアルバイト仲間が集まる自宅に遥を連れて来る。諭に失恋し、プロレスラーになるという杉浦(田辺桃子さん)も交えて、全員でプロレスごっこを楽しみ大盛り上がりとなった。
冒頭の井川さんのセリフにあったように、どこまで実際にあったことかは定かではないが、ツイッターなどでは
「井川遥さんの世間から求められてるものと自分がやりたいもののギャップ、理不尽な事もあるけれど好きなもの(プロレス)で発散している姿はとても素敵!!」
「あの当時、日本中から『癒し』を押しつけられ、どれだけ抑圧されていたのだろうと思う。でも何てたくましくてカッコいい。そして美しい」
「どこまでが本当なのかわからないけど、ただただ、井川遥さんのことが大好きになった回でした」
と、井川さんに心奪われた視聴者が多く見受けられた。
(TT)