「警視庁考察一課」(テレビ東京系)。企画・原作 秋元康。今度こそ秋元にはダマされないぞ、という強い覚悟を持って見たが、これが結構面白く、またもや秋元に完敗だ。
とにかくキャストが最高で、 『2時間ドラマの帝王』こと船越英一郎に、『2時間ドラマの裏女王』山村紅葉をはじめ、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志、柳沢慎吾と、サスペンスドラマでおなじみのあの人この人が総出演。よくぞここまで集めてくれたと言いたい。
2時間サスペンスドラマファンには間違いなく...
しかも、役名も、船越慶一郎、山村楓、西村まさ雄、高島誠子、名取悠、内藤昌志、柳沢慎三と、芸名を連想させ、キティちゃん好きで有名な山村の机にはキティちゃんがいっぱい、しかも、ミステリー小説を書いているとか、それぞれキャラが立っていて、随所にユーモアが溢れている。セルフパロディというか......。2時間サスペンスドラマファンには間違いなく楽しめるはず。
ドラマの内容はというと、「警視庁考察一課」というだけあって、事件が起きても現場には行かず、考察課の中であれこれ考察するだけ。「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ」と訴えた「踊る大捜査線」の青島(織田裕二)が見たら卒倒するだろう。第1話「パパ活女子殺人事件」(10月17日、2022年)は唐突に解決したイメージ。とにかく出演者のキャラが渋滞していて、どうしてもそっちに目がいきがち。
現場に行かないことで、セットも節約。極力制作費も抑えられ、言うこと無し。お財布に優しいドラマ。そのあたりも考えているとしたら、秋元先生さすがです。ベテラン勢に交じって、新米考察官藤井龍役の藤井流星(ジャニーズWEST)、管理官徳永りえ役の徳永えりも健闘。俳優陣が真面目に演じるコント番組と思って見るのがよさそうだ。
(大熊猫)