バカリズム、カズレーザー、中丸雄一(KAT-TUN)の3人が料理などの家事を基礎から学ぶ「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日系)。この日(10月11日、2022年)は岡田将生と料理愛好家・平野レミをゲストに迎え、「平野レミ生涯名作レシピベスト10大発表SP」と題した2時間スペシャルだった。
平野レミが出る番組はヘタなバラエティ番組よりもよっぽど面白いので極力見るようにしているが、今回も期待を裏切らない内容で大満足。「生涯名作レシピ」なんといっても、1985年6月5日放送NHK「きょうの料理」にレミさんが初出演した際の映像など、貴重な秘蔵映像が見られたのもよかった。
トマトを...
司会のアナウンサーが「平野さんは、本来はシャンソン歌手...」と紹介すると、畳みかけるように「本来は主婦ですよ」と訂正し、のっけからアナウンサーもタジタジ。今とまったく変わらない芸風(!?)だったのがわかる。この日、披露するのは「レミ風トマト炒め」。トマトを素手で掴んで潰したことで、視聴者から「あの下品な作り方はなんだ!」と抗議が殺到したという。
料理番組出演はもうないな、と思ったら、新聞の投稿欄(毎日新聞 1985年6月14日)に、「気取りのないすばらしい手さばき、お見事でした」「いい加減な自称プロがはびこる今日、『主婦よ』と言いながらの偉大なプロフェッショナルに拍手」と主婦の投稿が掲載され、おとがめなし。その後も番組に出演するようになったという。
たしかに、トマトを手で潰すのはインパクト大で、今、見てもなかなかの衝撃映像だ。NHKにもこっぴどく叱られたが、新聞に絶賛記事が出たことで、手のひら返し、また出て下さいとなったと言うのもNHKらしいというか......。
夫(和田誠)の友人たちに振舞ったという手料理の数々も、今度作ってみようと思わせる簡単で美味しそうなものばかり。そもそも、家で料理する時に、大さじ1杯とか水○○㏄など、いちいち計っていたら大変。だから、ニンニクをボールの底でゴンと一気に潰すレミさんのやり方のほうが実用的だ。それを30年以上も前からやっていたのは凄い。「食べればコロッケ」や「食べればティラミス」など発想力が素晴らしい。30年以上も変わらぬ姿勢を貫くレミさん、時代がようやく追いついてきたというべきか......。
(くろうさぎ)