旧統一教会への解散命令請求の要件について、岸田文雄首相はきのう19日(2022年10月)の参院予算委員会で、民法の不法行為は対象外としていたおとといの見解を修正し、「民法の不法行為も入りうる」と答弁した。きょうの「スッキリ」が専門家の解説を交えて詳しく伝えた。
宗教法人法では、裁判所が解散を命じる要件として「法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為」などと定められている。これまで解散命令が請求されたのは、1996年のオウム真理教と2002年の明覚寺で、いずれも幹部らが有罪判決を受けた刑事事件だ。
「意固地にならずに...」
これについて岸田首相は、おとといの衆院予算委では「民法の不法行為は入らないという解釈であります」と答弁していたが、きのうは一転。「行為の組織性や悪質性、継続性などが明らかとなり、宗教法人法の要件に該当すると認められる場合には、民法の不法行為も入りうるという考えを整理した」と述べ、過度な献金や霊感商法の被害なども対象となるという考えを示した。
日本テレビ政治部与党キャップの前野全範記者はこの背景について、「一夜で総理の答弁が変わるというのは極めて珍しい。1つは、文化庁とのすり合わせがうまくいっていなかった。それから、岸田首相本人の意向が強く動いている、ということがある。解散命令請求をやる気がないんじゃないかと周りから見られることを岸田首相が嫌ったのではないか、という指摘も出ています」と解説した。
森圭介アナウンサー「政府関係者によると、文化庁は、オウム真理教など刑事事件での有罪判決という過去の判例にこだわっていた、といいます」
旧統一教会の被害者救済に関わっている紀藤正樹弁護士「オウム真理教の時は、有罪判決が出る前に解散命令が出た。刑事事件の進行中でも解散命令は出せるのでもう少し柔軟な解釈でできるはずなのに、文化庁宗務課はずっと有罪にこだわっており、それが岸田首相に伝わり、間違った答弁につながったと思います」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「野党は『朝令暮改だ』と言っていましたが、岸田首相はよく、意固地にならずに翌日に意見を変えて『(民法の不法行為も)入る』と言ってくれたなと思います」
紀藤弁護士「(旧統一教会に解散命令が出て)日本で宗教法人がなくなったとしても、直接韓国に献金するというルートは残る。それを防がないと過度な献金はなくならない。海外送金の問題にもメスを入れなければいけないと思います」
MCの加藤浩次「やらなきゃいけないことが相当ありますね」
(キャンディ)