陸自セクハラ問題 防衛省の無責任体質に怒りのコメント続出 加藤浩次「内部でもみ消し」「やっぱり全体がおかしい」

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   元陸上自衛隊の五ノ井里奈さん(23)がセクハラ被害を訴えていた問題で17日(2022年10月)、加害者4人が直接謝罪したことを明らかにした。18日の「スッキリ」は、これまで問題に正面から取り組まなかった防衛省トップらの責任はどうなるか、を追及した。

  • 防衛省の体質が問われている
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「もっと最初に謝ってほしかった。遅い」

   五ノ井さんは17日の会見で、「4人は何度も深く謝罪していました」「だけど、謝罪をされたから許される問題でもない。私の傷は一生の傷なので」。五ノ井さんは「スッキリ」の取材に対し、「もっと最初に謝ってほしかった。遅い」として、自衛隊の隠ぺい体質の改善と社会全体でセクハラを重く受け止めてほしいと訴えた。

   五ノ井さんは今年6月まで陸上自衛隊に所属。SNSの動画でセクハラが明るみになった。「急に胸を触ってきたりとか、ほっぺにキスをしてきたりとか。日常的にあったんで、セクハラは。廊下で会えば抱きついてくるとか」「部屋が、男性隊員何十人に女一人だった。上司が格闘の、首を決めて倒すという話を始めて、五ノ井にやってみろ。ある男性隊員がベッドで首を決めて倒してきて、そこから暴走して股を広げさせられて、そのまま腰を何度も振ってきて。一人でアンアンとか言って、みんな笑ってて」。

   当時、直属の上司に被害を訴えたが、事実関係の調査は行われなかった。顔や実名を公表しての告発に踏み切った。

   五ノ井さんは、宮城県東松島市出身で、小学生の時に東日本大震災で被災した。避難所で目にした自衛隊の活動にあこがれた。「避難所のお風呂を作ってもらって。自衛隊の方って、私たちが入っている時にお湯を何度も。女性隊員の方がバケツで運んでくれる姿を見て、かっこいいなと思って」。2020年に陸上自衛隊に入隊、福島県の部隊に配属された。中隊58人のうち女性は5人。先輩の女性隊員にセクハラ・パワハラが多いと聞いた。

   去年9月、人事課にセクハラ被害を訴えたが、男性隊員に聞き取りをするも「証言が得られなかった」。その後、警務隊に被害届を出した。今年1月に男性隊員3人が強制わいせつの疑いで福島地検に書類送検されたが、5月に不起訴処分になった。五ノ井さんは、「警務隊も検察庁も、本当にちゃんと調べていないって思いました」。

   6月に入隊から2年で退職に追い込まれた。母親が同意書に署名させられた。「今後一切の異議を申し立てしません」。退職後、SNSで被害を訴えた。インターネットでの署名活動に加え、自衛隊員へのアンケートも。8月に防衛省に対し、不起訴処分を不服として、第三者委員会での調査を求める要望書を出した。空気が変わった。

加害者4人が直接謝罪

   9月6日、浜田防衛相が「ハラスメントは基本的人権の侵害であり、自衛隊の精強性を揺るがす、決してあってはならないことであります」。同29日には、防衛省幹部2人が「たいへん申し訳ございませんでした」。日常的に複数の隊員がセクハラをしていたことを認めて謝罪した。加害者を懲戒処分とすることを明らかにした。五ノ井さんは、「遅い。必ず私の方に直接謝罪に行くように」。陸上幕僚監部・人事教育部長は「そのようにできるよう対応してまいりたい」。そして、ようやく加害者4人の直接謝罪となった。

   4人は謝罪の手紙を出したが、うち3人は、セクハラ行為を「軽率な行動」と表現。一方で上官の手紙には、「五ノ井さんに対して距離が近づきすぎ、不快に思わせた」と書いてあった。これに対し、五ノ井さんは「被害者は自分だけではない」。「(4人を)信じて待っている奥さんや子供たちへの裏切りだと思っています」。4人は退職する意向だ。

   MCの加藤浩次「五ノ井さんは声を上げていた。内部でもみ消しですよ。過去にもあったし。それが常態化していた。自衛隊の中で。チェック機関もあるのに、そこに行ってもダメ、不起訴になる。これって、やっぱり全体がおかしい」。

   ロバート・キャンベル早大特命教授「第3者から言えば、ふざけるな、という思いしかない、この組織(自衛隊)に対して。世論を鎮火させようと思いが組織にある。それでセクハラが予防されるのか。何より保護者達が、自分の子どもたちをこの組織に送り込むのか。防衛が大事だということを、国民がようやく正面から議論しようとしている時に、子どもを、あるいは若い人は自分からこの組織に行こうと思うのか。組織のトップは責任もって考えるべきだ。管理責任に及ぶ」。

   加藤「組織はやはり上が変わらないとだめ。加害者は当然許されない。その組織の他の人間が許されていたら、やはり同じことが繰り返される。組織にも同じ責任がある」

(栄)

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