昨日16日(2022年10月)、中国で5年に1度の共産党大会が開幕した。今後の体制や指針を決める最重要会議で、現在の習近平体制はどうなるのか。17日の「モーニングショー」では、スタジオに2人の専門家を招いて詳しく話を聞いた。
中国の総書記任期は1期5年で、これまでは最長が2期、68歳で引退という慣例があった。現在2期目で69歳の習近平氏は本来なら引退だが、今回、これを破って3期目の続投が確実とみられている。
4期目、5期目も?
千々岩森生(テレビ朝日前中国総局長)「3期目は当然。4期目もやります。5期目もあるかもしれない」
近藤大介(講談社特別編集委員)「習近平が出てきたときは最も弱い皇帝様といわれていた。そこから悪くいえば粛清で権力を築いていった。今年4月までで470万9000人を摘発した」
昨日の大会で、習近平氏は自画自賛する形でこれまでの成果を強調した。
近藤大介「新時代を築いたと25回連発、社会主義を78回連発した。CNNが面白いこといっている。要するに言ったことは3つ『世界より中国はえらい』『中国より共産党はえらい』『共産党より習近平がえらい』」
千々岩森生「びっくりするほど新味がなかった。普段習近平や幹部が言ってることを1時間45分の演説にまとめた。3期目がただの通過点なので普段言っていることと変わらない」
一方、党大会3日前に北京市内の陸橋に「PCR検査はいらない ご飯がほしい 独裁の国賊習近平を罷免せよ」という横断幕が掲げられた。
近藤大介「ゼロコロナ政策は14億人が反対しているが習近平1人が賛成。1人対14億人といわれている」
千々岩森生「お膝元北京で習近平という固有名詞。考えられない。これを掲げたグループはどうなっちゃうんだろう。本当に命がけ」
山口真由(弁護士)「習近平が偉いというのが新味がないほど浸透しているのが独裁。ウイグルなどはディストピアで、これが隣国だというのが恐ろしい」
近藤大介「ビッグブラザーがすべてを統括するジョージ・オーウェルの小説『1984』のようになっているのが中国。AIとITが社会主義とマッチしているのが中国の現状」
習近平氏10年の功績をアピールするドキュメンタリー番組「領航」が制作され、学校教科書では「習近平思想」が必修科目となっている。
近藤大介「(領航は)北朝鮮のテレビを見ている感じでした」
石原良純(タレント)「周りが忖度しているのではないか。行く末が怖い」
近藤大介「習近平は複雑に物を考える人ではない、周辺は『これを持っていったら喜ぶな』とわかっている。そうでない人はパージされている」
党規約にある「個人崇拝禁止」の撤廃も焦点となっている。習近平関係者は「習氏は自分のことを毛沢東の生まれ変わりと思っているのではないか」と語り、党主席というポストの復活が習氏の本当の望みだという。
台湾問題の今後も気になる。習氏の「武力行使の放棄を約束しない」という発言に大会では拍手が25秒間なり続けた。
千々岩森生「4期目の総書記を狙うための功績作りで、ここ5年で台湾問題が動く可能性がある」
(みっちゃん)