この冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が心配されているが、重症化リスクがない人向けには、オンライン診療によるインフルエンザの診断が、行われることになっている。医者の間でも「インフルエンザは、オンラインで診療できない」と危惧する声が上がっている、ことを17日(2022年10月)の「スッキリ」が伝えた。
政府が発表した「対策案」によると、64歳以下で基礎疾患がないなど「重症化リスクがない人」の場合、発熱など体調不良になった場合、新型コロナウイルスの検査を自分でして、陽性の場合は、健康フォローアップセンターに登録して基本的には自宅療養、陰性だと、インフルエンザかどうかをオンライン診療などで調べる、流れになっている。
「同時流行」の可能性が指摘されている
ただ、多摩ファミリークリニックの大橋博樹医師は、オンラインでのインフルエンザ診断は、「通常ではできない、と思います」。
岸田首相は13日、「先手、先手で同時流行を想定した対策の準備が必要であると考えております」。水際対策の緩和などもあって、今年は「同時流行」の可能性が高まっているとの見方が強い。政府は同日、発熱外来など医療機関ひっ迫を想定した対策を発表した。「小学生以下や65歳以上の高齢者、妊婦、基礎疾患がある」など重症化リスクがある人は、発熱外来などを受診する。重症化リスクがない人は、上記のような流れにして、医療逼迫を抑えようとしている。
しかし現状では、オンライン診療ができる医療機関は全国11万施設のうち約1万7000に過ぎない。一昨年からオンライン診療を始めた大橋医師は、「システム導入するために投資をしなければならず、対応できる医療機関は急には増えない」「胸の音を聞いたり、口をあーんと開けてみることができない。対面診療よりも情報が落ちてしまう」
日本感染症学会指導医の水野泰孝医師は、「オンライン診療の問題点は、インフルエンザでなかった場合、どういった感染症なのか、あるいは、命に直結するような重症者を見逃してしまう懸念がある」
MCの加藤浩次「第一段階としての、オンライン診療は広がった方がいいと思う」「インフルエンザの検査キットも売ればいいじゃない。なぜコロナの検査キットしか売ってないの?両方売ればいいじゃない」「ちぐはぐじゃないですか」。水野医師「理想的にはそうだと思う。コロナもインフルエンザの抗原検査も同じだと思う。法律の問題とか、売ってはいけない、医師の診断が必要だとかありますので、それが越えられない」「そうなった方がいいという専門家もいらっしゃる」
(栄)